Case:サントリー「山鳥水生」

話題になった、または今後話題になるであろう日本国内の広告・PR事例の裏側を、担当者へのインタビューを通し明らかにする連載「BEHIND THE BUZZ」。

今回は、サントリーコミュニケーションズ株式会社による、バーチャルヒューマン社員「山鳥水生(やまとりみずき)」さんを取り上げます。

山鳥さんは、先月、Instagramを通じてサントリーの魅力を発信する公式インフルエンサーに任命されたバーチャルヒューマン。バーチャルヒューマン社員の起用は日本初(サントリー調べ)とのこと。

Instagramアカウント(@ mizuki_yamatori)を通して、料理の腕を発揮する様子や、同僚で友人だというラグビー日本代表で「サントリーサンゴリアス」の流大選手・中村亮土選手とのオンラインでの交流の様子の投稿などから発信を開始。さらに最近では加藤浩次さん、綾小路翔さんといった面々との2ショットも。

今度はどのような展開があるのか、また、企画が立ち上がった経緯とは? サントリーコミュニケーションズ株式会社 宣伝部 デジタルグループ 香取万葉さん、株式会社博報堂ケトル ディレクター 陶國直孝さん、株式会社オールブルー 取締役 明賀大介さんにメールインタビューを実施しました。

お客様との接点づくりの新たな挑戦

―この企画が立ち上がったきっかけを教えてください。

香取:
お客様との絆構築のため、サントリーではこれまでもデジタル上でのコミュニケーションに取り組んできました。2018年に始動した公式バーチャルYouTuber「燦鳥ノム(さんとりのむ)」は、今ではSNSでの総フォロワー数約20万人を持つまでに成長しています。

そんな中で、お客様との接点づくりの新たな挑戦として本プロジェクトが立ち上がりました。既にサントリー公式のInstagramは開設していましたが、企業として製品を紹介する公式アカウントではなく、人を通じて「製品がある生活を発信する」新しい企業アカウントの形への試みです。

その生活を象徴する存在として、インフルエンサーさんやタレントさんを立てるのではなく近年浸透し始めたバーチャルヒューマンの技術を用いた『サントリーのバーチャル社員』を立てることとしました。彼を通じてお客様とコミュニケーションをとることで、自然とブランド理解をしていただく構造を目指しています。

―プレスリリースに記載された経歴はとても具体的ですが、こちらはどのように決めていったのでしょうか?

※経歴はこちら

1993年生まれの27歳。大阪府生まれ。両親と姉からなる4人家族の末っ子長男。座右の銘は、やってみなはれ。好きな動物はネコ。

小学校のころから始めたサッカーは、大学まで継続し、常にぎりぎりレギュラーにすべりこみ。長期休みの間だけ、個人経営の地元の居酒屋でアルバイト。バイト先のお母さんのまかないが思い出の味。最近になって、料理と写真が楽しくなってきた。

得意料理はバイト先のお母さんに教えてもらったしょうが焼き。時間をみつけながら、自炊も頑張っている。好きなお酒はビール。少し前に先輩に連れて行ってもらったBARがきっかけで、ウイスキーにはまった。

新卒でサントリー入社。最初の配属は横浜支店で飲食店営業を4年担当。昨年10月に宣伝コミュニケーション部に配属になり、まだ1年弱。宣伝についてはまだまだ勉強中。

陶國:
生活の中にサントリー製品が溢れていて最も自然なのは誰か?と考えた時に、サントリー社員であることは自ずと決まりました。その上で、様々なブランドを世に発信する必然性、今後CMタレントさんとの撮影などを発信する時の自然な理由として宣伝担当という役割を設けました。出身などは、今後の生活の展開性を鑑み、里帰りやサントリーの歴史の詰まった関西への訪問なども想定して設定していきました。

顔部分のCGの角度を計算し、ダミーのモデルに重ねることで制作

―プロフィールやビジュアルに関して、イメージとして想定した実際の社員や社外の人物はいたのでしょうか?

陶國:
実際の社員というイメージはありませんが、サントリー社内での社員像と、外部から我々が思う社員像をすり合わせながら、生活のプロファイルを想像しながら設定していきました。ビジュアルに関しては、「バーカウンターで一緒にお酒を飲むときの横顔が美しい」をコンセプトに作っております。今後の展開にご注目ください。

―どのようなメカニズムで制作されているのでしょうか?

明賀:
コンテンツプロモーションを得意とするALL BLUEと、Liam Nikuroなど多数のバーチャルヒューマン制作に関わる1SECによって制作を行っています。現場ではダミーのモデルで撮影し、体はそのまま生身の人間に顔部分のみ山鳥水生のCGを角度や証明を計算して重ねることで、本物の人間のようにその場になじませています。

―投稿内容に関して、インフルエンサーとして育てるために重視している点を教えていただけますか?

香取:
サントリー製品に興味を持っていただくきっかけづくりとなるように、楽しそう!と共感していただけるお酒を愉しむシーンや、やってみたい!と憧れや参考になるライフスタイルの発信に力を入れています。皆さまが気軽に真似できる・したくなる、そんなバランス感を、日々の投稿に出していければと思っています。

―今後、山鳥水生さんに期待していること、展開などをお教えください。

香取:
山鳥水生はサントリーブランドを世の中に発信する公式インフルエンサーです。皆さまに愛される存在となり、サントリー製品に興味をもつきっかけづくりができれば幸いです。

既に投稿済みの声優の花澤香菜さんなど、弊社製品の広告などに出演されているタレントさんとの投稿も引き続き発信予定です。三密を避けながら外にも足を伸ばせたらと考えております。製品、広告など様々な切り口で情報発信していく水生くん(@ mizuki_yamatori)にご期待ください。