Case:カルビー株式会社「ポテトチップス合格する梅 梅キムチ味」

話題になった、または今後話題になるであろう日本国内の広告・PR事例の裏側を、担当者へのインタビューを通し明らかにする連載「BEHIND THE BUZZ」。

今回は、カルビー株式会社が、福岡県立福岡農業高等学校と共同開発した『ポテトチップス合格する梅(ばい) 梅キムチ味』(中国・四国・九州エリアにて数量限定発売)を取り上げます。

この両者のコラボレーションは2013年度よりスタート。2009年から太宰府市内で収穫した梅を使用した商品開発を行っている福岡農業高校が、カルビーの地域に根差した商品開発の取り組みを知り、2012年12月、カルビー九州支店にコラボレーションを提案したことがきっかけだそう。

“地元の梅を使用した商品で、受験生を応援したい”という双方の想いが合致し、2013年度から同校とカルビーとの共同開発で「ポテトチップス合格する梅」シリーズの商品をエリア限定・数量限定で販売。コラボレーション第7弾となるこの商品も、原材料には福岡農業高校の生徒たちが収穫した梅のペーストを粉末状にしたものを使用。カルビー従業員が高校に出向き授業を行い、高校生が商品開発の工程にも関わり小売向けの商談にも同行。商品のあらゆる工程でのコラボレーションが実現しています。

この商品開発・展開の裏側について、カルビー株式会社 セールス&マーケティングカンパニー 西日本営業本部 新規チャネル販売課 江本早岐さんにうかがいました。

自社内でも各部門を巻き込み

―高校生側から九州支店にコラボレーションの提案があったそうですが、初めて提案を受けた時の印象はいかがでしたか?

江本:
弊社九州支店も地域に根差した商品開発の取り組みを積極的に行っていたため、コラボレーションの提案を受けた時は、“地元の梅を使用したポテトチップスで、受験生を応援できるのであれば協力したい!”と思い、提案を受けました。

―今回の商品については2019年4月以降、カルビー従業員が18回福岡農業高校に訪れて商品開発に関する授業を行ったとのことですが、どのような内容だったのですか?

江本:
昨年4月から授業をスタート。夏までにコンセプトの立案、味案の決定、パッケージデザインの決定を行い、夏休み明けからは販促物の作成や商談実習等を行いました。さらに発売日からは、店頭販売実習を実施。一年を掛けてマーケティング・商品設計・販売までの一通りを学生の皆様に学習いただきました。
授業には、弊社の企画担当者のみが参加するのではなく、味案の選定時には開発担当者、デザイン検討時にはデザイナー、商談時には営業、と各部門を巻き込み、様々な面から意見を聞ける場を設けています。

―開発における学生のアイデアで印象的だったものを教えてください。

江本:
毎年、学生から出る味案のアイデアに驚かされています。今年度の「梅」と「キムチ」を掛け合わせた味においても、「疲れている受験生の目を覚まさせて、更にやる気を出してもらいたい」、それならば「キムチ!」となった高校生の考えは、私たちには考え付かないものでした。キムチの辛さでやる気梅増【ばいぞう】!(※倍増の当て字)という“梅”の漢字をあてたキャッチコピーも高校生らしい発想でした。

―2019年10月には、福岡県内の小売業に対してカルビー従業員が行う商談に生徒たちが同席し、本商品の販売提案にも参加したとのことですが、どのような形で協力して行ったのでしょうか?

江本:
実際に営業担当が毎月行っている、小売業様に対する商談の場に同席いただきました。商談では、弊社企画担当が作成した商談書をもとに、高校生が商品概要やプロモーション情報を説明しました。基本的には、高校生メインの商談で、弊社営業は補足説明をするといった形です。

コラボレーションを重ね、商品の県内認知度も高く

―小売や消費者の反応はいかがですか?

江本:
高校生との共同開発商品であることや、学問の神様を祀る太宰府天満宮のある太宰府の梅を使用しているので、非常に縁起が良さそうということから小売・消費者の方々からに大変好評をいただいております。「ポテトチップス合格する梅」を毎年楽しみにしてくださっている地域の方々も多く、福岡県内での認知度は高くなりつつあります。

―長年続いているコラボレーション。御社としての当施策の意義を教えてください。

江本:
九州、福岡の“太宰府の梅”を使用することで地域の活性化に繋がればと思います。令和の里として更に有名になった太宰府ですが、“太宰府の梅”についても、この「ポテトチップス合格する梅」を通じて知っていただけたらと思います。
また、高校生がポテトチップスを共同開発していること、太宰府の梅を使用していることに興味を持っていただき、今までポテトチップスを食べてこなかった方々にも、是非この商品を購入し、食べていただきたいです。