Case: Hagglebot

インドを訪れたことのある人ならご存知の通り、この国では買い物をする際には値段交渉が欠かせません。特に市場などでは交渉次第で値段がずいぶん変わるのですが、このやりとりがショッピングの醍醐味だと感じる人も多いようです。

しかし近年ではネットで買い物を済ませる人も多くなり、しかもその場合すでに大幅な値引きがされているので、安く買えてうれしい反面、面白みがないという声も多いのだとか。

そんな人々のインサイトに着目したのが、インドの大手ECサイトのFlipkart。同社はオンラインショッピングでも実店舗での買い物と同じように値段交渉ができるAI機能『Hagglebot』をリリースしました。

これはGoogleアシスタントをもとに開発したチャットボットで、ネットショッピングをする際に、ユーザーがディスカウントしてほしいと話しかけると、商品の定価の値段から値引きをしてくれるというもの。

この時「少し安くしてもらませんか?」と丁寧にお願いすると相手(ボット)も気前よく値引きしてくれるのですが、高圧的な言い方をしてしまうと向こうも強固な姿勢に出るといった具合に、まるで人と実際に話しているかのようなリアルな会話を交わすことができる点がポイントとなっています。

Flipkartは、年に1度開催する大規模セールBig Billion Days Saleでこの試みを実施したところ、オンラインニュースなどで紹介され、その結果、人々がボットを相手にチャットを行った時間は、わずか数日間で1,800時間にも及びました。

たった数回のクリックで完了するネットショッピングはもちろん便利ですが、そこにあえてコミュニケーションを取り入れ、時間をかけることによって買い物の楽しさを感じてもらうという、ユニークな取り組みのご紹介でした。