Case: Caring for the impossible

視覚や聴覚に重いハンディキャップを持つ、盲聾(もうろう)と呼ばれる状態の人々とのコミュニケーションを可能にするべく、サムスンのインド法人が開発したメッセージアプリ『Good Vibes App』の長編CMをご紹介。

ひとりの少女が困難を乗り越え会話の手段を手に入れるまでの過程を、アプリの機能説明と絡めながらドラマ仕立てで表現しています。

物語は、バスルームで入浴する少女とその母親の姿から始まります。

視覚がほとんどない少女は、手探りでしか周りの状況を認識することができません。

この日も手を滑らせて、浴槽のなかで溺れてしまいます。

状況を理解できずパニックに陥る娘の手を取り「落ち着いて…!」と呼びかける母親。しかしその呼びかけを娘は聞き入れることができません。

その日の晩、食卓のテーブルに全寮制の支援学校のパンフレットを置く父親。これは、少女が両親のもとを離れて暮らすことを意味するものでした。

「辛いのはわかる。でも信じよう。これが彼女にとって幸せになる道なんだ」

そして旅立ちの朝、父親の手を離れ、学校の寮へと入っていく少女。

離れ離れになる娘を案じ、父親は涙が止まりません。

しかし、両親の決断は正しいものでした。寮生活のなかで少女はモールス信号(音の長短で文字を伝える通信方法)を学び、自らの意思を疎通する術を身に着けていきます。


やがて友人もでき、少女は明るく快活な女性へと成長していきました。

そんなある日、寮にひとつの小包が届きます。

包みの中には、1台のスマートフォン。


そして、「(少女に)読んで聞かせてください」と書かれた一枚の手紙が。

手紙を読んだ教師は、思わず少女の部屋へと駆け出します。

教師は部屋に飛び込むと、少女にこう叫びます。「夢がついに叶ったわ!!!!!」

スマートフォンには『Good Vibes App』のアプリ画面が。

「トントントン…」画面をタップし、モールス信号を入力する少女。するとアプリが信号を変換し、画面に文字が現れました。

すると同時に、離れて暮らす両親のスマートフォンが反応。

画面を見ると、そこには永らく会っていない娘からのメッセージが表示されていました。
「パパ、ママ、愛してる。」

長い時を経て、両親と娘は初めて“会話”することができたのです。

少女のもとへ、両親からのメッセージが届きます。自動音声で読み上げられたその内容は、両親がずっと伝えたかった言葉でした。
「私たちも愛しているわ。」


『Good Vibes App』はモールス信号、音声、テキストとあらゆる形のコミュニケーションを相互に変換し、聴覚や視覚のハンディキャップを乗り越えて人と人が会話できるアプリであることを伝え、ストーリーは終わります。

ハンディキャップを持つ人々の「不可能」にしっかりと寄り添い、テクノロジーの力でそれを可能にする── これからの企業に求められる「ソーシャルグッド」のあり方を強く示した、感動的なCMでした。

(via TAXI)