Case: Kupu

ニュージーランドの携帯電話キャリア・Sparkが行ったユニークなCSR施策をご紹介。

先住民族であるマオリ族の人々の間で使われてきた「マオリ語」の学習機会を増やすことを目的として、スマートフォンで撮影した写真をマオリ語で表現するアプリをリリースしたのです。

ニュージーランドでは1987年に「マオリ言語法」が制定され、その保存が義務付けられました。

しかし現代の同国において、マオリ語を流暢に扱うことができるネイティブスピーカーは人口のわずか3%に限られています。

マオリ語のさらなる学習機会を創出するため、ニュージーランド有数の大手携帯電話キャリアであるSparkはAI技術を駆使し、目の前の景色をマオリ語で表現できるスマートフォンアプリ『Kupu(マオリ語で「言葉」の意味)』を開発しました。

使い方はいたって簡単。アプリを立ち上げ、スマートフォンのカメラで訳したいものを写すだけです。

カメラの画像をAIが解析し、それをマオリ語でなんと表現するかを画面に表示します。

複数のものを翻訳することも可能。大きな木のそばでトランポリンを楽しむ女の子を撮影すると、きちんと「木」「トランポリン」「女の子」それぞれのマオリ語訳が表示されます。

他の言語同様、マオリ語にも地域ごとの“方言”にも対応。訳された言葉が普段用いる言い回しと異なる場合は、フィードバック機能で訂正をリクエストすることができます。

AI技術とスマートフォンアプリならではの機動性、そしてリアルな「土地(位置)に結びついた言語圏の違い」をスマートに結びつけることで「本当に使えるマオリ語翻訳アプリ」を実現した『Kupu』。
リリース後24時間のあいだにアプリは想定の112%に及ぶ35,051回ダウンロードされ、2週間後には12万ダウンロードを達成。翻訳は200万回利用され、訳されたマオリ語の発音を学べる音声は250万回以上再生されました。

この取組は同国内で大きな反響を呼び、トータルで640万にものぼるメディアインプレッションを獲得することにも成功しました。

辞書というワンクッションを挟むことなく「目の前の景色」をダイレクトにマオリ語で表現することで、日々の暮らしに密着する「生きたマオリ語」の学習機会を国民たちに浸透させることに成功した、意義深いCSR施策でした。