Case: You Seeing This?

スポーツ専門チャンネルESPNが米国バスケットリーグ(NBA)と共同で実施した、大胆なPR企画をご紹介。

動画広告やプッシュ通知技術、AirDropまでも駆使し、中継を見ていない人々の画面に「ねぇねぇ、これ見た?(You Seeing This?)」と、試合のハイライトシーンを“割り込み通知する”試みを行ったのです。

試合中に訪れる、劇的な瞬間。

「ワオ、なんてすごい瞬間を見てしまったんだ…」

思わず「いまの(展開)見た?」とSNSで友人たちにメッセージを送ってしまう… そんな経験のある人は少なくないのではないでしょうか。

しかし残念なことに、メッセージを受け取った人が同じ試合を見ているとは限りません。さまざまな情報で溢れかえっているこの世の中、みんな他のことに夢中になっているほうが多いのもまた現実です。

他のことに夢中になっている人たちにも試合の熱狂をそのまま伝え、中継を見てもらいたい── そう考えたESPNは生中継のハイライトシーンを抜き出し、動画広告の形でさまざまなメディアに「速報」を配信したのです。

なんの変哲もないInstagramのムービーに、突然飛び込むハイライト。

YouTubeでお気に入りのアーティストのミュージックビデオを探す人のところに、突如流されるハイライト。

マッチングアプリにも、ゲーム実況にも…

「誰かが見ている画面」に試合のハイライトを割り込ませ、ESPNの生中継を見るよう伝えたのです。

「速報」の舞台はスマートフォンのプッシュ通知機能にも及びました。Facebookのメッセージ通知で試合の模様を伝えたり…

さらにはiPhoneのAirDrop(同じ場所にいる人に画像を送信できる通信機能)を使い、街角で記念撮影をする人に向けて強制的に試合結果を伝えたのです。

“(バスケットボールに興じる人々を眺める男性に)「そんな試合より、こっちの試合見た??」

一見拒否反応を起こしそうにも見える“強引”な施策でしたが、意外にも反応は上々。「速報」を通じて生中継が見られた数は3.8億回にも達し、前回比でなんと70%もの大幅な成長を記録しました。

試合の熱狂を文字通りダイレクトに伝え、自分たちの土俵である生中継番組へいっきに誘導してしまう── スポーツ大国ならではの熱狂に満ちた、ユニークなPR施策でした。