Case: FRANCE ACCESSIBLE

パリの地下鉄では、バリアフリー化が遅れているといいます。実際、車椅子利用者は、パリの地下鉄のわずか2%(303駅中9駅)にしかアクセスできません。

他の国や都市と比べるとその差は一目瞭然でワシントンとロサンゼルスでは100%アクセス可能、東京では88%、バルセロナでは82%という結果が出ているといいます。2024年のオリンピックとパラリンピックを目前に控える中、開催国であるパリではこの状況が深く懸念されていました。

そんな中、世界モビリティデーに合わせて障碍者支援NGOが、バリアフリーを唱えるユニークな啓発キャンペーンを実施しました。

数百人のボランティアと障碍者を集め、地下鉄の路線図をジャックするというこの企画。地下鉄の入り口や地下にある従来の路線図の上に、“新しい路線図”を貼り直したのです。

その路線図には、車椅子利用者がアクセスできる唯一の路線Line 14の9つの駅のみが記載されていました。

これと並行して、“新路線図”が描かれた1万冊のリーフレットを市民に配布して啓発活動を行いました。

本キャンペーンの結果、インプレッションは5億9000万、パブリシティは数百件にもおよび、約3か月もの間、メディアやSNSで議論がなされたといいます。

さらに、本キャンペーンはフランスのマクロン大統領やパリ市長のアン・イダルゴ氏の目にも留まりました。大統領は、オリンピック・パラリンピック開催の2024年までに、地下鉄の60%をアクセス可能な状態にすると発表。アン・イダルゴ市長は、パリの地下鉄担当者に具体的な対策を講じるよう公式に手紙を送ったといいます。

すべての人間に普遍的に与えられるべきモビリティという権利。NGOの啓発キャンペーンによって、国や都市のリーダーを動かした取組みでした。