Case: The Life Saving Soap Operas

ペルー保健省が実施した、臓器移植のドナー登録を呼びかける啓発施策です。

同国ではドナー登録者数がラテンアメリカ諸国の中で最も少なく、その割合は100万人中1.6人しかいないのだそう。多くの人に臓器移植の大切さを訴え、登録を促すにはどうすればいいかと考えた保健省は、ユニークなキャンペーンを打ち出しました。

同省が着目したのは、テレビのソープオペラ(メロドラマ)。実はこの国ではソープオペラが圧倒的な人気を誇っており、主要キャラクターが死亡した際には全国的なニュースになるほどなのだとか。

そこで放送局のAméricaTelevisiónに協力を仰ぎ、最も人気のある2つのソープオペラの脚本に手を加えて臓器提供をストーリーに盛り込むというアイディアを考案しました。

ドラマ『Ojitos Hechiceros 2』の3月17日に放送された回で、主要登場人物のYairという男性が銃で撃たれて命を落とします。運び込まれた病院では彼がドナー登録をしていたことが分かり、腎臓を提供することに。

そしてその数日後、今度は全く別のドラマで、移植を待っていた主人公にドナーが見つかったと連絡が入ります。そのドナーは『Ojitos Hechiceros 2』のYair。つまりふたつのドラマをリンクさせて、提供から移植までの流れをストーリーとして見せたのです。

このまさかの展開に視聴者は騒然。SNSを中心に広く拡散したほかテレビでも紹介された結果、800万人にリーチすることに成功。2つのエピソードの放送後わずか1週間でドナー登録者の数は200%増加し、11人が移植を受けることができたといいます。

臓器提供によって生きられる人がいるのだというメッセージを、人気ドラマに絡めることでインパクトを持って伝えることに成功したアイディア施策でした。