Case:The Book That Grew

アイルランドの農家約35%と取引関係のある銀行・Allied Irish Bank(AIB)が、自国の農業を支援するために行った一風変わった取り組みをご紹介。

AIBは同国農業振興・食品開発局と連携し、農業の生産性と収益性を高め、持続可能性を最大化するための10のステップが綴られたガイドブックを制作することに…ところが、そのガイドブックは各ページから製本に至るまで、農業に関連の深い材料だけで作られているのです。

草や植物の種、土、水、太陽、光などの天然資源。“草”でできた各ページは、2019年2月から3月にかけて、ドイツの芸術家・Diana Schererのもとで特注のプレートを使って育てられました。

その後、各ページはアムステルダムで収穫。ダブリンで、綴じられ製本まで完了しました。インクにも、草を燃やした灰を使用するという徹底ぶりです。

AIBは、農業における持続可能性の重要性を示すために今回の取り組みを実施したといいます。実際、“草の本”に綴られた10のステップを忠実に守ることで、農家は1年間に草の放牧を10回転させることができ、1ヘクタールあたり10トンの草を生産することができるといいます。

本のコンテンツはAIBのウェブサイトで公開され、各SNSによって製本までのプロセスの映像や写真が配信予定。さらに、各地で開催される農業関連イベントでも展示が予定されています。

特殊な方法で作ったうえに、実践的な内容を詰め込んだ農業のガイドブック。特異性と実用性を兼ね備えることで、インパクトと説得力を同時に与えることができた農業支援の斬新な取り組みでした。