Case: What’s the FUX?

スイスを拠点とするクラウドサービス企業・Veeam Softwareが打ち出した、ユニークな社員採用キャンペーンをご紹介。

あえて「ひどいUX(ユーザー体験)デザイン」を施した採用サイトを開設し、応募者に「辟易させる」ことによって応募段階から絞り込みを行なうよう仕向けたのです。

同社がかねてから頭を抱えていたのが、自社の求めるUIデザイナーのスキルと乖離した「応募者」が多数エントリーしてしまうという問題。

UXデザインという極めて専門性の高いスキルゆえ高額の報酬を用意して募集していたものの、肝心の優秀なUIデザイナーの応募が少なく、それどころか「高額報酬に目のくらんだ『自称UXデザイナー』」の応募の多さが課題でした。

そこで考え出されたのが、正当な技術と見識を持ったUXデザイナーならば、思わず「どうにかしたい!」と思ってしまうような“ひどいUX”を集めたサイトだったのです。

その名も「What’s the FUX?」。英語の「なんじゃこりゃ(What’s the f**k)!?」をもじったタイトルというところに製作側の並々ならぬ思いを感じます。

特設サイト「nauxui.com」にアクセスすると、「ダイヤルを回して数値を入力させる(しかもダイヤルの向きとプログレスバーの向きが合っていない)」ページに始まり…

「意味なく(タイプ文字が見えない)パスワード入力になっているフォーム」

「ムダに項目の細かいプルダウンメニュー」

「なぜか一文字ずつプルダウンメニューで入力しなければいけないフォーム」など… 入力しているだけでイライラしてしまう仕掛けが満載。よっぽど根気のある人でなければ、途中で耐えきれずに離脱してしまう作りになっています。

この仕掛けが功を奏し、アクセス数は以前の約2倍以上に増加するだけでなく、300人以上の優秀なUXデザイナーの応募を獲得しました。

優秀な人ほど「アラ」とその改善方法に気が付きやすい── そんなデザイナーの心理を巧みについた、ユニークな施策でした。