Case: Maps with Memory

チリではアルツハイマー患者が行方不明になるケースが非常に多く、毎日のように捜索依頼が出されています。調査によると、患者自身が自分で家や施設を出ていったまま行方が分からなくなるケースが約6割となっており、無事に保護されるのはその半数ほどだといいます。

捜索はきるだけ早くスタートすることが大切ですが、警察に捜索願を出すと諸手続きや患者についての情報収集に少なくとも数時間、酷い場合には数日を要することも。

命の危険を伴う事件や事故に巻き込まれるリスクを最小限に抑えるため、同国の医療ヘルスケア事業者・BUPAは画期的なシステムを開発しました。

同社がローンチした『Maps with Memory』というWEBアプリは、行方不明になった人の名前・顔写真・特徴といった基本的な情報を入力して使います。

またアルツハイマー患者は記憶障害のため道に迷いやすい一方で、長年勤めていた職場や通いなれた協会など、昔から馴染みのある場所は比較的覚えているという特徴を活かし、その人にとっての思い出の場所を登録できる仕様に。捜索に役立つ手掛かりをマップ上で見られるようにして、警察・家族・介護スタッフによる迅速で効率的な捜索を可能にしました。

このシステムは、警察からも『捜索開始までの時間を80%短縮でき、さらに患者発見の確率も20%上がるだろう』との認証を得たそう。高齢化が急速に進む今、関係各所が連携し、包括的な対策をとることが求められています。