Case: Homeless Home Sale

現在デンマークにはおよそ6,000人のホームレスがいますが、“安全上”の理由により、複数人が集まって寝泊まりすることを法律で禁じているといいます。

厳しい寒さや差別的な視線にさらされる彼らにとって、無防備な状態で毎夜一人で過ごさなければならないのは非常に酷なこと。行政の支援を得るどころか、法によってさらに苦しい立場に追い込まれています。

このような状況を憂慮し、アクションを起こしたのが同国の新聞社・Ekstra Bladet。法律の抜け目をつく、ユニークな方法で打開策を打ち出しました。

Homeless Home Sale – Case Study from The New Denmark on Vimeo.

同社が目を付けたのは『新製品やコンサートチケットの購入目的であれば違反にはならない』という例外事項。発売待ちのため複数人で夜を明かすのがOKなのであれば、“ホームレスの人たちもそうすればいいのでは?”と考えたというわけです。

まずEkstra Bladetは特設サイトやポスターを制作し、コペンハーゲン市内の6か所で(架空の)セールを開催することを告知。集まったホームレスの人たちに整理券を配布しました。

もちろん実際にその場所に店舗や品物があるわけではありませんが、主催者がいて整理券を配っている以上、そこに来た人たちはあくまで“購入待ちのお客さん”であり、強制的に退去させることはできません。こうして場所を変えながら毎日“セール”を開催し、路上生活を送る人同士が共に過ごせるようにしたのです。

この取り組みはSNSで広く拡散し、850万件のメディアインプレッションを獲得。テレビをはじめ各種メディアで取り上げられた結果、政治家やオピニオンリーダーが話題にするなど大きな反響を呼びました。

社会的弱者に不利に働く偏った法律について、皆で考えていこうと呼び掛けた本施策。現在は次の“サマーセール”に向けて準備中だということです。