Case: Cart wheelchair

近年堅実な経済発展を遂げ、東南アジア諸国の中では先進国としてASEANをけん引する存在となったタイ。しかし国内の経済格差はいまだ大きく、スラム街ではたくさんの人が貧しい生活を送っています。

貧困のため医療費が払えない人も多く、病気や怪我により車いすを必要としているにもかかわらず、購入できずにいる人は国内に8万人もいるのだそう。そんな状況を受け、同国のスーパーマーケットチェーン・Tesco Lotusは、画期的なプロジェクトを立ち上げました。

それは店舗で使っていたショッピングカートを改造して、車いすに作り替えるというアイディア。金属切断機でカートの前側を切り取って椅子の形に加工し、ブレーキやフットレストなどを取りつけたのち、クッションを置けば完成です。

Tesco Lotusはこうしてできたカート車いすをスラム街に住む人々に贈り、さらに誰でも作れるようにと作り方を動画で公開。するとこの取り組みは国内外で大きく取り上げられ、1,500万人もの人にリーチしたほか、900万バーツ(約3,200万円)相当のメディア露出を果たしたといいます。

結果わずか2か月で5,000人に手作り車いすを届けることができ、プロジェクトは大成功を収めました。

使わなくなったカートを最小限のコストで再利用し、貧しい人のために役立てるという点が素晴らしいですね。日本と同じように高齢化が進むタイで、画期的なアイディア施策でした。