Case: Zoochosis

皆さんは英語の『Zoochosis』という言葉をご存知でしょうか。これは長期的にわたり監禁状態に置かれた動物たちによくみられる異常行動のことで、同じところを何度も往復したり、首を振り続けるなどといった常同行動が代表的な症状としてあげられています。

人間にとっては楽しい動物園も、そこに住む動物たちにしてみれば狭い檻の中で刺激のない毎日を送る場所。ゆえに実際に動物園で飼育されている動物たちには、この行動が多くみられるのだそうです。

ベルギーの動物愛護団体・Bite Backは、ストレスや極度の不安を抱えた動物たちに起こりうるZoochosisについて広く周知し、動物園やサーカスの在り方についていま一度考えてもらうためのキャンペーンを実施しました。

同団体が利用したのは、インスタグラムストーリーズの『Boomerang(ブーメラン)』。これは連射した写真をつなげてミニ動画を作れる機能で、再生と逆再生を繰り返しループすることでコミカルな動画を作成できるというもの。

Bite Backは、首を振り続けるシロクマやゾウの常同行動を映した映像を“ブーメラン風”動画としてInstagramに投稿し、『これはブーメランではありません。檻の中に閉じ込められ、精神に異常をきたした動物たちなのです。』というキャプションを設定。さらにこの投稿には位置情報を付加し、ベルギー中の動物園の検索結果として表示されるようにしました。

動物園の存在自体に異議を唱えるBite Backの主張には賛否両論あるかと思いますが、ストレスを異常行動として表現するほかに術を持たない動物たちを思うと、胸が痛みます。アニマルウェルフェア・アニマルライツについて深く考えさせられる啓発施策でした。