Case: The Longest Wait

中国の上海浦東銀行が展開した、意表を突くキャンペーンをご紹介。
現在国内で圧倒的にその数が不足しているという盲導犬の育成を支援するべく、収益の一部が盲導犬基金に寄付される投資商品を開発。そのプロモーションとして、銀行の店内に設置された「待ち時間案内パネル」に“とある細工”を施したのです。

案内パネルの前に立ち、ボタン操作をする客の男性。待ち時間を示すチケットを受け取ると…

そこに書かれていたのは「(待ち時間)8.5年」の文字。

8.5分でも8.5時間でもなく、8.5年── ただでさえ「待たされたくない」客にとっては、信じられない数字です。

呆然としたのもつかの間、つぎつぎと窓口に抗議する客たち。「これまで生きてきて、こんなに待たされたことないわよ!」

「おい!どういうつもりなんだ!!」

なかには怒りのあまり、装置を破壊してしまう人も…。

ようやくここで“ネタばらし”。「これは実際の数字です。目の見えない方たちは、盲導犬の介助を受けられるまで実際にこれだけの年月待っているんです」と、行員が客に説明します。

チケットに書かれた数字の「意味」に気づいた客たちは、ハッとした表情に。「そうなのね… 実際にこれだけ待っている人たちがいるのね…」と、盲導犬介助を取り巻く現実に思いを馳せるのでした。

この一連の様子を収めた動画はまたたく間にSNS上で拡散され、600万回以上ものインプレッションを達成。わずか数日で投資商品は14.5万USD以上もの売上を叩き出し、盲導犬介助を得る待ち時間はこれまでの「8.5年」から「7年」へと縮まりました。

「待たされたくない」という気持ちを逆手に取ることで盲導犬を必要とする人々が抱える課題の大きさをストレートに感じてもらい、援助の必要性を痛感させる、ウィットに富んだキャンペーンでした。