Case: Ivory lane

1990年に国際的な取引が禁止された象牙。しかし、シンガポールでは禁止以前のものは国内で販売可能となっており、「1990年以前のものだ」として偽って販売する事例が多くありました。

WWFはこのような事態に課題提起を行うため、“偽のオンラインストアを開設する”というユニークな手法で啓発活動を行いました。

今回、国内でいくつも存在する象牙製品を販売するECサイトと同様に、WWFは全く新しい象牙ブランドのように見せかけて、InstagramアカウントやFacebookページを開設したのです。

Ivory Lane」という架空のブランドのアカウントで投稿されたクリエイティブがこちら。


象牙のアクセサリーを使ったモデルのコーディネート写真を投稿。

するとコメント欄には…「おぞましい企業だ」、「今は1818年じゃなく、2018年ですよ」、「これまで目にしたInstagramアカウントの中で最低だ」といった批判が殺到しました。

そして一週間が過ぎ、直近のいくつかの投稿に“UPDATE”として、下記の文章が追記されました。

あなたの声を聞かせくださりありがとうございます。

Ivory Laneは、シンガポールの野生生物法の欠点を強調するためにWWFシンガポールによって作られた架空のブランドです。
Ivory Laneは象牙製品を所有していません。

ブランドは架空のものかもしれませんが、強調されている問題は本当です。
我々の最近の調査では、シンガポールで象牙製品を販売する40以上の店舗が見つかりました。
プロフィール欄のアップデート:リンク先を読んでください。

リンク先となる特設サイトでは、シンガポールの象牙販売の現状や、国際的な象牙の取引は“25分に1頭分”行われていることなどが説明されています。

また、SNSアカウントで種明かしをする2日前に「我々のプロダクトは1990年より前のヴィンテージものの象牙で生み出されたものです」という(まだ啓発目的と知られていない段階では、より批判を生みそうな)投稿も行われていました。これらの投稿は、現法律の課題・抜け穴をユーザーに印象付けるためのものだったというわけです。

本企画はSNSでトータル25万にリーチ。Instagramアカウント、Facebookページで批判や議論のコメントが目に見える形で残り、シンガポールの人々が象牙販売について嫌悪感を抱いているということを浮き彫りにすることに成功しました。

市民に社会的課題の提起を印象的に行うために、デジタル空間の炎上を意図して創出した啓発施策でした。