Case: The Hacking Jersey

ペルーのビールブランド・Cristalが、自国のサッカーワールドカップの出場をかけてオフィシャルスポンサーとして実施したユニークなプロモーションをご紹介します。

1982年以来ワールドカップの舞台から遠ざかっていたペルー代表。36年ぶりとなる出場権をかけ、ニュージーランドとの大陸間プレーオフに臨むことになりました。

しかし第1戦・ニュージーランドのホームゲームが開催される都市・ウェリントンにはわずか64人しかペルー人が住んでおらず、また、会場はペルー本国から1万キロ以上も離れており応援にかけつけるのも容易ではないという状況でした。

“会場に来るペルーサポーターはごくわずか…”という事態が予想される中でも、少しでもペルー選手たちに“ホーム”の感覚を味わってもらうために制作された“特注の応援ユニフォーム”が以下写真左のもの。ニュージーランドの国土を模しているのですが、その形が写真右のペルー代表ユニフォームにそっくりなのです。

“特注の応援ユニフォーム”にはニュージーランドの国旗や代表チームのスローガンなども描かれており、スタジアム前で配るとニュージーランドサポーターたちは嬉々として受け取ります。

彼らからすれば“自らの国、自らの代表チームを鼓舞するための応援ジャージ”のように見えるというわけです。カラーリングの面でも、ニュージーランド代表のユニフォームはもともと白で、国旗の一部に赤が使われているため違和感がありません。

スタジアムでこの特注ユニフォームを着ている一角は、遠目から見ると“ペルー代表のユニフォームを着たサポーターたち”に見えるという仕掛けだったのです。

本取り組みはSNSでの発信や、ニュージーランド代表の著名なOBを試合に招待するという話題作りも実施。

このようにしてスタジアム一角のニュージーランドサポーターを“ハッキング”して、ペルーサポーターが数多く座っているかのような錯覚を演出しました。テレビ中継の実況も「多くのペルーサポーターがいます」と言及するほどだったといいます。

この斬新なサポート施策が功を奏した(?)こともあり…ニュージーランドでの第1戦をドローで乗り切り、ホーム・ペルーでの第2戦に勝利したペルー代表は2018年のワールドカップ出場を決めました。

知らずに着用した相手国のサポーターにとってはたまったものではありませんが、「何が何でも自国の代表をワールドカップに」という執念を感じさせるユニークなスポンサード施策でした。