Case: Touching Masterpieces

プラハの国立博物館、視覚障害を持つ人の支援活動をする団体Leontinka Foundation、そしてバーチャル・リアリティ技術を追求するNeuroDigital Technologies社がタッグを組み、目の見えない人たちを対象にしたユニークな取り組みを実施しました。

美術館に展示されている作品は、基本的に“見て”楽しむもの。つまり、目が不自由な人は、誰かに作品に関する説明を読んでもらうことでしか鑑賞できません。

そこで、視覚に頼らずともアートを感じられる方法を模索した結果実現したのが、VR技術を使った新しい試み『Touching Masterpieces』。

これは、世界的に有名な3体の彫刻『ミケランジェロのダビデ像』『ミロのヴィーナス』『ネフェルティティの胸像』をバーチャルで精密に再現し、NeuroDigital Technologiesが開発したグローブを装着して触ることができる仕組み。従来のバーチャル・リアリティに触覚を加えた、触って感じるVR体験なのです。

実際には存在しておらず、バーチャルの世界だけにある物に触れるという、とても不思議なこの技術。手の動きを正確に認識し、バイブレーションを使って触れているものの感覚を指先に伝えるのだそうです。

実際にトライした人は、作品の質感や形、大きさなど十分に感じることができた様子で、その体験を「まるで違う世界に来たみたいだ!」と表現しています。

現在世界には、視覚障害を持つ人が2億5千万人以上いるそうです。これまで“見える人のための技術”だったVRを、“見えない人のためにも使える技術”へと昇華させた画期的な取り組みでした。