Case: Radio Crashes

ロシアでの交通事故の主な原因は、飲酒運転と運転中の携帯電話の使用だといいます。運転中に携帯電話を使用する機会は、ユーザー間での電話やメールだけでなく、ラジオ番組からリスナーへの通話も可能性としてあり得ます。

例えばラジオDJがリスナーに電話を繋いだ際、リスナーは自動車の運転中だった…そのようなシチュエーションです。

そのような状況が起こることを未然に解決すべく、ロシアの保険会社・SM Polis Insuranceは、国内のラジオ局に対して、“(偽の)交通事故の瞬間を生中継する”という前代未聞の企画を提案しました。

その放送とはこのようなもの。

「L(リスナー):こんにちは!」
「P(ラジオDJ):今何をしていますか?」
「L:娘を迎えに運転しています

と…リスナーから“車に関する言葉”が出た瞬間に、(あたかもリスナーが今まさに事故にあったかのように)“車が衝突したクラッシュ音”がラジオで放送されるとともに、リスナーとの通話が突然切れてしまうのです。

その後一拍おいてラジオDJは…

「心配しないで、彼女(リスナー)は大丈夫。でも、誰かの命が急に失われることがあるということを忘れないで。SM Polis Insuranceは、あなたに“運転中に通話しないで”と警告します」

というメッセージが放送されるという企画でした。

この提案は当初19ものラジオ局に持ち掛けたところ18局に断られ、わずか1局のみが賛同し実施に至りました。

実際にその1局同局が“(偽の)交通事故の瞬間を生中継”した所、その成果は絶大で、リスナーの運転マナーが向上。メディアを通じて大いに話題になり、それに伴い、9局が新たにこの取り組みへの参加を決定したといいます。

ラジオの「音声のみで伝え、想像力をかき立てる」というメディアの特性を活かして、交通事故の恐怖を再認識させる斬新な取り組みでした。