Case: The World Incredible Press Release

本日は、世界各地で配信・送付・掲示された“型破りなプレスリリース”をまとめて紹介します。

現代の「パブリック・リレーションズの創始者」とも言われるアイビー・リー氏が、1906年10月28日に“世界で最初のプレスリリース”を書いてから111年…

「プレスリリース」というと、“A4紙面やWebブラウザ上に文章や画像で発表情報が記述されているもの”というイメージを持たれるかと思いますが、世界を見渡すとそんなプレスリリースの既成概念を覆す一風変わったリリースも存在しています。

今回はAdGang視点で、業界人の発想のヒントになると思われる事例を10点ピックアップしました。
それではどうぞ!

1.スチール製のプレスリリース

[企業名:Cub Cadet]

アメリカの芝刈り機メーカーが、新製品をアピールするために行ったプレスリリースがこちら。業界最高クラスの耐久性とパワーを印象付けるため、素材は機体と同じスチール製に。これを特製のバールと一緒に木の箱に入れ、各メディアに送付しました。

製品の特徴を直感的に伝え、圧倒的なインパクトを与えることに成功した技ありのプレスリリースであり、広告賞も受賞しています。

2.チョコレート製のプレスリリース

[企業名:caribou coffee]

こちらもプレスリリースの素材を工夫した例です。アメリカのコーヒーショップが、強みであるチョコレート飲料をアピールしつつ、全米での知名度を向上させるために、チョコレート製のプレスリリースを作成しました。

思わず食べたくなってしまうこのリリースのおかげで、発表して最初の一週間で12%チョコレート飲料の売り上げUP、目標より2倍のメディアインプレッションを達成しました。

3.黒塗りで隠されたプレスリリース

[企業名:Taco Bell]

アメリカのファストフードチェーン・Taco Bellが、新商品PRのために行ったリリースです。

内容はおおよそ「Taco Bellがスーパーボウル中のCMで新商品を発表する」というものなのですが、なんとリリースの半分ほどが黒塗りになっており、具体的に商品は何なのかという肝心の情報が分からなくなっています。

“情報を確実に伝える”というプレスリリースの原則からは外れていますが、微妙に明かされた情報からどんな新商品が出るのかという予想が始まるなど、生活者の期待感を煽ることに成功しました。

4.絵文字で書かれたプレスリリース

[企業名:GM Chevrolet]

アメリカGMの自動車ブランド、Chevroletが行ったプレスリリースがこちら。「どのような内容に関するプレスリリースなのか」が最低限伝わる導入部分を除いて、すべて絵文字で書かれています。

同社がこのようなプレスリリースを公開したのは、本当に「絵文字を解読してもらおう」という意図からではなく、『絵文字だけのプレスリリース』という現代的かつミステリアスなアプローチにより、翌日に控えた正式発表(≒解読版)への注目を集めるための布石だったと考えられます。
このPR施策は実際に、多くのニュースで取り上げられるなど、衆目を集めることに成功しました。

5.GIF画像で作られたプレスリリース



[団体名:ChildFund International]

絵文字以上に攻めているのがこちら。NPO団体が「母の日にもっと意味のあるものを送ろう!」と伝えるために作成したこのプレスリリースは、なんと全編GIF画像で構成されています。(さすがにこれ単独ではまずいと思ったのか、文章版のリリースも存在しています。)

正直なところ、かなり目が疲れてしまうリリースですが、多くの人の興味を引くという同団体の意図は達成できているのではないでしょうか。

6.世界最短のプレスリリース

[企業名:Houston PR]

イギリスのPR会社が行った、なんとも奇抜なリリースです。
「会社の能力をより明確・詳細に示す」といった内容のリード文の後、本文はなんと“Yes.”のひとことだけ。

効果のほどは不明ですが、何かを伝えたいというより、PR会社のセルフプロモーションとして読者の笑い、関心を誘うためのものといえるかもしれません。

7.宇宙空間のプレスリリース

[企業名:Houston PR]

前項と同じPR会社が、プレスリリースを行う「場所・地点」にこだわったのがこちら。
同社の「本社移転」というお知らせが書かれたプレスリリースに、特注ラミネート加工を施し、熱気球につけて宇宙空間まで飛ばし、その模様を映像におさめてYouTubeで公開しました。

情報価値の乏しい内容(オフィス移転)を、奇抜な手段を通じて発表すると、どのような結果になるかを実験してみるというチャレンジングな試み。
結果として、マーケティング関連の情報サイトや複数のブログなどに取り上げられました。

8.「もっとも素晴らしい」プレスリリース

[企業名:PitchPoint Public Relations]

PR会社が行ったプレスリリースとしては、こんなものもあります。
リリースのタイトルは「これまで書いた中で最も素晴らしいプレスリリース」。しかしどんなものかと思って見てみると、プレスリリースを取り巻く簡単な概況とともに、如何にこのプレスリリースが凄いものなのか、ということが語られているのみ。

圧倒的に目を惹くタイトルにした上(『プレスリリースはタイトルが命』とよく言われます)で、敢えて中身が全くないものにすることで、PR業界を皮肉り、一部のわかる業界人からの笑いをとろうとしたプレスリリースといえるでしょう。
実際に、多くのメディアが「退屈なプレスリリースの革新的な取組み」などといった言葉とともにこれを取り上げ、TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアでも話題となり、同社には仕事の相談も増えたといいます。

9.世界最大のプレスリリース

[企業名:Logo Floor Mats]

前項の事例にかかわった方が手掛けた、もう一つの風変わりなプレスリリースがこちら。
カーペット会社の「15周年を楽しく、今後のビジネスへのやる気を起こす形で盛り上げたい」という要望を受け、人の背を優に超えるサイズのプレスリリースを作成しました。

この「文章」はリリースされた後、代表のオフィスに記念として飾られているそうです。

10.世界最小のプレスリリース

[企業名:PR TIMES]

最後にご紹介するのは、「AdGang」を運営するPR TIMESがサービス10周年を記念して作成したリリース。なんとお米一粒に文字が印字されている、世界最小のプレスリリースです。

もともとはエイプリルフールのネタだったこの企画ですが、職人さんの力を借りて現実のものに。人々の想いや願いを「込める」存在として端を発するお米に、プレスリリースに対する強い想いを込めるという狙いがあります。

現在、PR TIMES本社エントランス(@東京 青山)に実物を展示しています。興味のある方はぜひお越しください。詳細はこちら

おわりに

いかかでしたか?
今回ご紹介したユニークなプレスリリースをパターン別に整理すると、下図のように分類できます。

もちろんプレスリリースにおいて重要なのは、情報を正しく速やかに伝えることです。リリースのタイトル、構成内容、タイミングなど…トーンやマナーに関する議論は有意義です。

一方で「想い」を伝える・「想い」が伝わるフォーマットとして、「プレスリリース」の形態やセオリーを見つめなおしてみることも、有効なパブリック・リレーションズへの新たな気付きが得られるかもしれません。


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