Case: The Sea Cemetery | In Memory of Syrian Refugees

内戦で混乱するシリアから逃れるべく多くの難民が海路でヨーロッパへ渡るいわゆる“シリア難民”問題。昨今では、政治的な側面に焦点があてられることが多く、難民一人ひとりの命がけの窮状が報じられることが少なくなっています。

そんな中、トルコの人道支援グループ・Support of Lifeが、平和を目指しながらも、夢破れ海で命を落としてしまった難民の窮状を訴求し、難民に対する支援を呼びかけるために“地中海に難民墓地を作る”という取り組みを実施しました。

トルコのエーゲ海岸沖に出没したのが、200の墓石。海に浮かぶ大理石製に見える墓石は耐水性発砲スチロールで出来ており、その一つ一つにはまさにこのあたりで命を落とした難民たちの名前が刻まれています。

その内の一つである“Alan Kurdi”は、若干3歳にして溺死した男の子の名であり、沿岸に打ち上げられた男の子の写真は、当時世界中に衝撃をもたらし、難民危機に巻き込まれた人々の窮状を広く世界に印象付けることとなりました。

動画に登場するこちらの男性も家族を海で失っており、大好きだった海を見ることが出来ず、いっそのこと内戦で命を落としていればと話しています。

こちらの女性も幼い息子を海で亡くしており、もう一度息子に会いたいと涙しています。

約5年前にシリア内戦が勃発してから、実に4000人以上のシリア難民がヨーロッパへ渡る途中に地中海で命を落としているといいます。

昨今では、難民の命よりも、難民問題を政治的に取り上げることが多くなっており、今回の“地中海に難民墓地を作る”取り組みは、今一度難民ひとりひとり命に焦点を当てることにより、人道的な視点から難民問題を見つめ直すきっかけを与え、難民の命に対する暖かい支援を呼びかけることを目的としています。

実際にこの海で家族を失った難民へのインタビューや、海底に眠る遺品を捜索し、それを映像にとらえる作業には多くの時間を費やしたといい、海に潜った時間だけでも18時間は超えたといいます。また、動画の最後からは同団体のウェブサイトに遷移することができ、難民についてより詳しく知ることができる他、寄付を行うこともできます。

同団体は、難民問題は決して政治的な問題だけではなく、むしろ未来への幸せをつかむべく海を渡る人々に対する人道的な問題であると話しています。難民問題をあって当たり前のことにぜず常に危機感を持って見つめることをメッセージした難民の生の声が詰まった映像をぜひ一度ご覧ください。

(via The Sea Cemetery)