Case: Amp Shoes

『生活習慣病の代表格』と言われる糖尿病。視力の悪化や腎機能の低下など、様々な合併症を誘発することは広く知られていますが、神経障害もよく現われる症状の一つで、筋肉が壊死したり、ひどい場合には足を切断しなければならない場合もあるそうです。

イギリスでは、現在糖尿病を患っている人は400万人以上、そしてこの病気が原因で足や足指を失う人の数は、なんと1週間に135人にものぼるといいます。

この事実を人々に周知し、病気に対する知識や予防策について考えてもらおうと、同国の非営利団体・Diabetes UKはロンドンの中心地に靴を取り扱うポップアップストア『Amp Shoes』をオープンしました。

4月22日から24日まで、2日間限定で登場したこのショップ、店内の壁には一面に靴がディスプレイされ、外から見るととてもお洒落な雰囲気。

ファッションに敏感なロンドナーたちが続々と訪れますが、手に取った靴はなぜか片方しかなく、また袋に覆われています。怪訝に思ったお客さんに、店のスタッフはこう説明しました。

「この靴の持ち主だった男性は、糖尿病のため37歳の若さで足を失いました。」

そう、この店に飾られている135足の靴は全て、糖尿病患者が足を切断する前に履いていた物だったのです。

わずか1週間の間に、これだけの人が足を失っているのだという事実を目の当たりにして、人々は言葉を失います。

その後、店内奥のスペースへとお客さんを案内。簡単な問診に加え身長、体重、ウェスト周りを計測し、糖尿病のリスクがないかを調べるサービスを実施しました。

糖尿病は、一度患ってしまうと完治することはなく、一生付き合っていかなければなりません。その一方で早期発見し、適切な食事や運動療法を行うことで、症状が出ないようコントロールすることができる病でもあります。

英語で「in one’s shoes(~の立場に身を置く)」という言い回しがありますが、まさにその言葉通り、“足を失った患者の靴”を見せることで、人々に『自分もこの病気にかかる可能性があるのだ』と実感してもらうことに成功した、非常に効果的な啓発プロジェクトでした。

Langland raises awareness of diabetes-related amputations with pop-up shoe store from Langland on Vimeo.