Case: Jane St.

ネコを使ったプロモーション』や、『超過激な恐怖のドッキリプロモーション』、『リアルタイム・マーケティングをテーマにしたReactvertising』など、意表を突いた企画を次々と立案し、広告業界において異彩を放つカナダの広告代理店・John St.。

業界のトレンドを揶揄することで、広告のあり方について疑問を投げかけてきた同社が今回注目したのは、『女性らしさ』。AdGandでもいくつもの事例をご紹介してきましたが、女性ならではの強さ、美しさを称え「ありのままに、自信をもって生きよう!」そう呼びかける広告は確かに感動的です。

しかし、誰にだって欠点はあるし、自分自身好きになれない部分だってあるのに、「あなたは美しい!」そう言われ続けたら、かえって女性たちは必要以上に自分の欠点を意識してしまうことにはならないでしょうか?

『女性を賛美する=逆に彼女たちの不安を掻き立てる=それをカバーするための商品を売る』という図式が成り立ってはいないだろうか?

そんな疑問を投げかけるため、John St.が公開した映像がこちらです。

動画の中では、“女性のありのままの美しさを称える広告『femvertising』”に特化した(架空の)制作会社・Jane St.が立ち上げられ、そのコンセプトをもとに作られた作品が紹介されています。

「0 hour protection」という制汗剤のプリント広告。

その名の通り、汗や臭いを抑える成分を一切含んでいません。ナチュラルな体臭に自信を持ってください!

ヘアケア製品のSylk。

タグラインは「All hair is beautiful.」。髪の毛だけじゃなく、脇もVラインも、色んなところのヘアを美しくしましょうね。

さらにJane St.のリサーチスタッフは、女子高校生をターゲットに相談会と銘打ったマーケティング調査を実施。そこでも未来の消費者となる彼女たちのコンプレックスを調べあげ、売れる商品開発に役立てようというのです。

“女性たちが常に前向きな気持ちで日々を過ごせるように…”とエールを送ることは素晴らしいこと。ただ、それが“製品を売るための謳い文句”と化してしまっていないか、とJohn St.は懸念しているのです。

いつもながら、どこまで本気なのか測りかねるようなシュールな切り口で描かれているものの、広告業界のトレンドに一石を投じる視点の鋭さは敬服に値します。次はどんな問題提起で私たちをハッとさせてくれるのでしょうか。楽しみです。