Case: The Water Machine

先進国で暮らす私たちにとって、水道の蛇口をひねればきれいな水が出てくるのは当たり前。しかし、アジアにおける発展途上国では、安全な飲料水を得ることができない人が6億人以上もいます。

インフラ整備がなされていない地域に住む人々は、毎日何時間もかけて水を運ばなければならず、そして大抵の場合、その重労働は女性や女の子に課されています。

貧しい地域で暮らす人々に安全な飲み水を提供するための活動をするNPO団体・Lien AIDは、この現状を人々に広く知ってもらうため、毎年3月に開催される「世界水の日」のイベント会場でユニークな試みを実施しました。

会場となったシンガポールは、赤道直下に位置する国。イベント当日も非常に気温が高く、暑さにあえぐ参加者のために水の自動販売機が用意されましたが、この自販機にはお金の投入口が見当たりません。

代わりに大きなスクリーンがあり、水を求める人が前に立つと、その場でマラソンやジャンプ、ヨガのポーズなどをするよう指示が出されます。

炎天下の中、息を切らしながらなんとか運動を終えると画面は切り替わり、水問題に苦しむ人々がわずかな飲み水を得るためにどれだけ大変な思いをしているか、という説明がなされ、そしてやっと水をもらうことができるというわけです。

きれいで安全な水がいつでも利用できるようになると、感染症をはじめとした数多くの病気を防ぐことができるだけでなく、水汲みに費やされていた時間と労力が軽減され、女性や子供の就業率、就学率のアップにもつながります。

Lien AIDではこのイベントをきっかけに、世界中の多くの人々に水資源の大切さ、そして途上国におけるインフラ整備の重要さを考えてもらいたい、と訴えています。