Case: #ChevyGoesEmoji

米GMが取り扱う自動車ブランド・シボレーが、6月22日に『絵文字だけのプレスリリース』を公開して話題になっています。

そのプレスリリースの原稿が以下。


日付やブランドのURL、メールアドレス、SNSのハッシュタグ以外は、何が書かれているかまったく読み取れません。

そのため同社は、読み手が“どのような内容に関するプレスリリースなのか”は最低限わかるように、原稿本文の前に説明書きを記していました。下記キャプチャ画像の赤枠部分です。


そこにはこんなことが書かれています。

新しい2016年型のシボレー・クルーズを言葉だけでは説明しきれません。そこで、新型車の発表を祝うこのプレスリリース(報道発表資料)は、絵文字で書かれました。

絵文字とは、電子コミュニケーションの中で感情表現に用いられる小さな画像やアイコンのことです。ぜひ解読に挑戦してみてください。解読版は翌23日午後2時に発表します。

同社がこのようなプレスリリースを公開したのは、プレス(記者)や世間に、本当に“絵文字を解読してもらおう”という意図からではなく、『絵文字だけのプレスリリース』という前代未聞の異質かつミステリアスなアプローチにより、翌日に控えた正式発表(=解読版)への注目を集めるための布石だったと考えられます。

実際のところ、今回の『絵文字だけのプレスリリース』というPR施策は、Googleニュースで130件を超える記事がヒットするなど、衆目を集めることに成功しました。そして、「解読版には一体何が書かれているんだろう?」と、気になる記者や消費者は大勢いたことだと思います。


本来は『発表内容を正確に伝えること』を目的として使用されるプレスリリースを、“その存在自体”をバズるクリエイティブへ昇華させるという発想の転換が光るケースです。

記者が抱いている“プレスリリースというもの”に対する既成概念を、大いに裏切った点も施策のポイントだったのかもしれません。そしてそれを、新興のスタートアップではなく、アメリカを代表するトラディッショナルな巨大企業であるGM社が仕掛けたのも、意外性(ギャップ)という見地から、メディアの興味をそそるに十分で、爆発的なパブリシティの獲得に結びついた要因だと推察されます。

余談ですが、日本の携帯メールから生まれた『絵文字』が、海外のPR(プレスリリース)において“このような常識にとらわれない形ではじめて活用されて話題になった”という事実に、国内でPRに携わる者としてちょっと複雑な心境にさせられました。

[*翌23日に公開された“解読版のプレスリリース[英文]”はこちらからご覧いただけます]

(via #ChevyGoesEmoji)