Case: Hiding billboard

2014年夏、ロシアはウクライナの紛争を巡る対立の末に欧米から課された経済制裁への報復措置として、食料の輸入を1年間にわたり禁止することを決定しました。

そんな情勢の中、モスクワの中心地で食料品店を営むDon Giulioさんは、売り上げの減少に頭を悩ませていました。お店で扱っているのは、本場イタリアから直輸入した食材ばかり。輸入ができないなら商品も品薄になっているに違いない、という誤解により、客足が遠のいてしまったのです。

人々にこれまで通り来店してもらえるようにと、Donさんは屋外広告を出すことにしました。とはいっても輸入禁止令が発動されているさなか、大々的に広告を打ち出しては無用のトラブルに巻き込まれかねません。

そこで考案したのが世界初となる、“見せない”看板広告。

一見するとごく普通のポスターですが、実はこの看板、上部に取り付けられたカメラと顔認証技術を応用したシステムによって、警察の制服を検知する機能が備わっているのです。

Donさんはこれをロシア内務省から250m離れた大通り沿いに設置しました。

一般市民には美味しそうなチーズが写ったポスターが見えますが、制服を着用した警察官が通りかかると…この通り、マトリョーシカのポスターに変わってしまいます。つまり、警察には見られないようにしているのです。


そして警官が通り過ぎると、また元に戻るという仕掛け。「あれ?何かおかしいぞ?」といった様子で不思議がる警官を見て、市民はクスクス笑っています。


お店のプロモーションを行うと同時に、『食品の輸入禁止』という、市民生活に弊害をもたらす決定を下した体制に対して静かに反発する、ウィットに富んだ広告でした。

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