Case: 大塚製薬『さわる知リ100 Supported by オロナインH軟膏』

話題になった、または今後話題になるであろう日本国内の広告・クリエイティブの事例の裏側を、案件を担当した方へのインタビューを通して明らかにしていく連載「BEHIND THE BUZZ」。

今回は大塚製薬による「知ったつもりにならないでリアルにさわってみたい日本の100」略して、『さわる知リ100 Supported by オロナインH軟膏』を取り上げます。

昨年実施し約10ヶ月で約7万人のFacebookファンを獲得した「知ったつもりにならないでリアルに体験した方がいい日本の100」略して『さわる知リ100』が生まれ変わり、身近な体験から思いきった体験まで、様々な”さわる”体験を動画で紹介するこの企画。実施の狙いや今後の展開について、久山弘史㈱ 久山弘史さん(文中「K」)、ハツメイ 青木二郎さん(文中「A」)、Wieden+Kennedy Tokyo 大野真吾さん(文中「O」)、Wieden+Kennedy Tokyo 藤林友香さん(文中「F」)にお話を伺いました。

Interview & Text : 市來 孝人 (Takato Ichiki)

「オロナインがお守りみたいになったらいいよね」という姿勢を表現

—まずはこの「さわる知リ100」がスタートするまでの経緯をお教え頂けますか。

K:大塚製薬さんのオロナインは6〜7年ほど担当させて頂いていて、昨年から(「さわる知リ100」の前身となる)「知ったつもりにならないでリアルに体験した方がいい日本の100」というコンセプトの「知リ100」というキャンペーンを始めました。と同時に、20代の方にオロナインを使って頂きたいということで、Facebookを重視するなどデジタル系の施策にシフトしていきました。

さらに今年はそこに「さわる」というテーマを加味し、「知ったつもりにならないでリアルにさわってみたい日本の100」として「さわる知リ100」をスタートしました。

O:企画を練っていた時によく話していたのが「オロナインがお守りみたいになったらいいよね」ということです。持っているだけでちょっと遠くに出かけたり、ちょっと挑戦してみようという気持ちになったり。もちろんケガはしないことが一番ですが、無茶しても、万が一ケガしても、オロナインさえ持っていれば、守ってくれるような存在になれたらという話をしていました。

ただ、「お守りです」と言い切ってしまうことは薬事上難しいですから、その姿勢自体を表現していったときにどういうことが出来るだろうと考えた時に「出かけてみよう」「やったことないことをやってみよう」、そういった気持ちを作っていくことをオロナインが出来たらと考え、「知リ100」を立ち上げました。何でもネットで知ったつもりになってしまう時代だからこそやってみよう、と。そして今年度の「さわる知リ100」へと続いていきます。

—昨年の「知リ100」から発展した形での実施ということで、やはり昨年の売り上げが好調だったということでしょうか?

K:昨年は、もちろん全てこのキャンペーンの成果というわけではありませんが、売り上げは過去最高を記録しました。

F:日本の人口としては減っている中でも、ここ最近1〜2年位は過去の売り上げを更新しています。

—動画について、ロケ先、つまり「さわる」ものについてはどのように決めているのでしょうか。

K:触感を伝えることをテーマにしています、触り心地って、映像でも文字でも伝えづらいじゃないですか。逆にそれを伝えることが面白いなと思っています。「知ったつもりにならないで」ということで、ある程度なじみはあるものの、「そういえば触ったこと無いな」とか、「最近触ってないな」と思うかどうかが基準ですね。

O:また動画の公開については、今年はFacebook動画を活用しています。モバイルで自動再生されるようになったことでFacebook動画の視聴がとても伸びているので。アスペクト比もモバイルで見た時に最適化されるように、通常16:9のところを1:1にしています。

02. カエルの卵にさわる 昨日の投稿の答えは、なんと「カエルの卵」でした!そのさわり心地は!?ぷりゅん、ぷりゅん。サワラー親子の親いわく「ゼリーというより飲むゼリー」くらいのやわらかさ。卵と卵がびょーんと結びつき合う感じ、チカラ強い!兄弟だからねー さわる知リ100 Supported by オロナインH軟膏 ▼堂々完結「知リ100」アーカイブはこちらhttp://shiri100.jp

Posted by 知リ100 on 2015年4月9日



—ロゴやビジュアルもとてもポップで印象に残りますよね。

A:昨年はもう少しゴツゴツしたフォントを使っていたのですが、今年は「さわる」ということを意識して、文字の太さやサイズがバラバラな、まるみのあるフォントを選んで、変形して組み合わせていきました。また体験ごとに例えば「こりこり ちくちく」のような、その体験をイメージさせる言葉を作っています。

K:その言葉を、体験ごとの動画の中でも使っているんです。

—トレインチャンネルでも広告展開しているとのことですが、どの路線になりますか。

F:ターゲットになる若い層が見ている路線ということでJR東日本・西日本と、東京メトロ全線、京王井の頭線です。(井の頭線は)学生が多い街が沿線に多くありますし。

オンライン上でのコミュニケーションに振り切って、数字がついてきている

—ユーザーの反響はいかがですか。

O:現在、Facebookページのファン数が7万人弱ほどです。もちろん、数でいうとさらに多いページもありますが、見た人がきちんと反応してくれた数値「エンゲージメント率」が高く、一つ一つのポストがきちんと届いている実感があります。

オンライン上では検索された回数が2013年位から上がっていて、知リ100プロジェクトが始まった2013年から400%ほど上昇しています。最初の四年ほどはTVCMなども展開していましたが、オンライン上でのコミュニケーションに振り切って、数字がついてきているのは自信になりますね。

—「さわる知り100」展開開始後、クライアントさんからの反応はいかがですか。

F:元々、お家の薬箱の中にしまってあるイメージの商品というところから、どれだけ外に持ち出して、バックに入れてもらえるかというところがキーと考えているので、若者をターゲットとし、外に持ち出すというところが動画で提案出来ているという点を評価頂いています。

O:「オロナイン」は元々チューブタイプもあったのですが、想起されるのは薬箱にあるようなビンのタイプが主でした。若い層にコミュニケーションして行く時に、ビンは特に高い商品ではないのですが、お試しで買うには量も多く、すぐに買ってもらえるか?という部分もあるんですよね。

そんな中、「知リ100」がスタートした一昨年からチューブ型の商品を前面に打ち出してみようという決断をクライアントがされたので、それに最適なコミュニケーションは何だろうと考え、今に至ります。

—今後はどのように「さわる」体験をアップされていくのでしょうか?

O:私たち「本部」以外に、全国で地元の体験&レポートしてくださる「さわらー」の皆さんの協力のもと、順次アップしていこうと思っています。「さわらー」は例えば北海道の和菓子職人など、何かしら専門的な技術を持っている方で、そういう方が様々なものを触って何を感じ表現するかというところを紹介していきます。

久山弘史㈱
久山弘史さん

ハツメイ
青木二郎さん

Wieden+Kennedy Tokyo
大野真吾さん

Wieden+Kennedy Tokyo
藤林友香さん