Case: Showroom amenities

この度米バーリントンで新しくオープンしたメルセデスベンツのショールームの顧客サービス担当者に研修を施したのはエンジニアでもなければ整備士でもなく、美味しいコーヒーの淹れ方を教えるバリスタであったというエピソードがありますが、これは決して珍しい話ではなく、業界のトレンドを象徴していると言います。

ヒュンダイやKiaなど高級車同様の機能を持つ自動車を低価格で販売する自動車メーカーが高級車市場に参入してきたことにより、メルセデスベンツ、レクサス、キャデラックなど言わずと知れた高級車のショールームが、何の工夫もせずとも店を構えるだけで客を集客できた時代は去り、高級車のショールームも様々な付加サービスで客を呼び込まなければならなくなりました。

米バーリントンにあるメルセデスベンツのショールームでは、店内に高級コーヒーバーを設置し、自動車を点検している間極上のコーヒーを飲める他、店舗内には美容サロンもあり、ネイルやヘアスタイリングをしてもらうこともできます。これらのサービスはもちろん無料です。また、有名シェフによる食事会やファッションショーも開催しているとか。

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また、米イースト・ハートフォードにあるアウディのショールームでは、無料で朝食サンドイッチを提供している他、月に一度マッサージ師が来店し、自動車を点検に出している間、筋肉痛や関節を和らげるための無料マッサージサービスを行っています。

これらのサービスは、自動車点検そのものの質を補うものではありませんが、数ある店舗の中からこの店を選び、客を惹きつけることをビジネスの存続につながると話しています。また、同店舗では待合室に高級ソファー、大画面テレビ、暖炉を設置しラグジュアリーな空間を作り出したことで、顧客の再利用率が10%上昇し58%になったと言います。

この他、米メリット島にあるリンカーンのディーラーでは、ジム、映画、散髪等のサービスを提供する独自のメンバーシップカードを発行したり、米フォートワースにあるキャデラックのディーラーでは、点検待ちの客にワインサービスを提供しており、気に入ればその場で購入したり、毎月厳選されたワインを届けてくれるというワインクラブに入会することができます。

高級車ディーラーが単に高級車を売り、高級車を点検すればいいという時代は去り、厳しい競争に勝ち残り、顧客ロイヤルティーを確かなものにするためには、食事からネイル、ヘアスタイリングに至るまで高級車のオーナーに相応しいラグジュアリーな体験をサービスしなければならなくなったという、高級車ショールームを取り巻く新たなトレンドでした。

参考サイト

The Boston Globe
http://www.bostonglobe.com/business/2015/02/24/luxury-car-dealers-hit-gas-customer-perks/EFWi4A0sjrgtWQdJ1Z6FWM/story.html#comments