Case: Display advertising

数多くの商品が所狭しと並べられているスーパーやショップの陳列棚。本日はそんな小売店の陳列棚および、陳列手法にフォーカスした厳選事例をまとめて紹介します。

小売店で商品を手に取ってもらうタイミング、いわゆる『真実の瞬間(の一つ目)』に、買い物客の心をわしづかみにするようなメーカーの機転の利いた「商品陳列術」と、「商品陳列棚」の特性を活かして斬新なメディアを作り上げたアイディア広告の数々をそれぞれセレクトしました。

まずは、ユニークな「商品陳列術」を6つ。

1.1週間で売上が2倍に急増!中小乳業メーカーが仕掛けた目から鱗の「商品陳列術」

[国名:ペルー/ブランド名:Laive]

ペルーのローカル乳業メーカー・Laiveが大手メーカー各社に対抗してマーケットシェアを拡大するために実施したユニークな商品陳列方法。Laiveが発売しているのは「0%ラクトース牛乳」。一方、大手メーカーが発売しているのは「デカフェ」ならぬ「デ・ラクトース牛乳」。

一見、どちらも大差がないように思われますが、実はLaiveの「0%ラクトース牛乳」にはラクトースが全く入っていないのに対して、競合他社の「デ・ラクトース牛乳」にはごく微量(1.5g)のラクトースが含まれているといいます。

一般消費者にはなかなか見分けがつかないようなこの事実を知ってもらい、ラクトースフリー製品を愛用する消費者に同社の商品を手にしてもらうために、商品を90度回転させて、ブランドパッケージではなく、成分表示が表となるように陳列したのです。効果はすぐにあらわれ、陳列方法を変更してから1週間でチェーンストアでの売り上げは2倍に増加しました。

知名度、宣伝広告費の面において到底太刀打ちできない大手メーカーに挑んだ、中小メーカーのシンプルかつ効果抜群なアイディア陳列術でした。

2.あえて極小スペースに歯ブラシを陳列

[国名:ベルギー/ブランド名:Signal]

ユニリーバの歯ブラシブランド「Signal」のアンビエント広告。
「Signal」の歯ブラシの持ち手部分が、くねくねと曲がり口腔内のどんな隙間にも届くことをアピールするために、棚と棚の間の隙間に商品を陳列するというアイディアです。

3.“100%ナチュラルな”フルーツジュースを訴求する唯一無二のプロダクトデザイン

[国名:ブラジル/企業名:Camp Nectar]

フルーツジュースブランドのCamp Nectarによる、『ジュースの原材料が100%ナチュラルである』ことを訴求するために仕掛けた奇抜なプロモーション。

ジュースの原材料に使用する果物を生育前の段階で、「Camp Nectar」のジュースパッケージの形をした特殊なカバーで一つ一つ覆います。この果物が生育して食べごろになると、ブランドのロゴまで付いたジュースのパッケージの形になります。

そして、これらのジュース容器の形をした果物をスーパーマーケットで他の果物と一緒に陳列しました。専用のシールだけ貼ってあり、お客さんがこの果物を手に取ると、本物のジュースと取り替えてあげたそうです。

「ジュースの原材料が天然の果物のみである」ことをコミュニケートするために、「果物自体をジュースのパッケージの形にして陳列する」という一風変わった企画でした。

4.ビールを手にするとコンビニが演奏会場に!?

[国名:UK/企業名:Red Stripe]

世界的に有名なジャマイカのビールブランド「Red Stripe」がロンドンのコンビニエンスストアで実施したゲリラプロモーション。コンビニに来店したお客さんが、冷蔵庫の中から「Red Stripe」を手に取ると、店中の様々な商品が突然音楽を奏でるというサプライズ企画。

「Red Stripe」を手に取ると紙パックや、地面に置かれているダンボール箱、陳列されている瓶ビール、箒やチリトリなどが突然ダンスし出し、あちこちから音楽が奏でられます。この様子に当然お客さんもびっくり仰天して、愉快なサプライズを大いに楽しんだようです。「Red Stripe」のブランドイメージである、楽しさを再現するユニークな取組みでした。

5.ブラジル代表ユニフォームの“重み”

[国名:ブラジル/企業名:Centauro Stores]

ブラジルのスポーツ用品店Centauro Storesが、ブラジル代表の「黄色いユニフォーム」の売り上げ拡大を狙って実施したユニークな陳列法。

5度のサッカーワールドカップ優勝を誇り、国民の尊敬の対象となっている「黄色いユニフォーム」。このユニフォームをかけるハンガーに2kgの重りをつけて陳列するとともに、ハンガーの取っ手には「5度のタイトルを獲得した重み(偉大さ)を体験してみて!」というタグをつけました。

この結果、売上は通常時の15%アップしたといいます。

6.誰もが金メダリスト気分に浸れる! 表彰台を舞台にしたサプライジングプロモーション

[国名:ドイツ/ブランド名:Gillette]

男性用髭剃りブランド大手「ジレット」が、ロンドンオリンピック記念モデル「ProGlide Golden Edition」を訴求するために仕掛けたサプライズプロモーション。

スーパーでお客さんが手を伸ばしても届かない位置にあえて商品を陳列。そんなお客さんの足元にはオリンピックの表彰台のような台が置かれています。商品を手に取ろうとこの台の一番高いところに乗り、髭剃りを手にした途端に大きな歓声が湧きおこり、大勢の男女が集まってきて、あたかもこのお客さんがオリンピックで金メダルを獲得したかのように祝福してくれるという仕掛けでした。

プロモーションコンセプトは“Feel like gold every day”というもので、まさに日常生活の中で金メダルを獲得したかのような体験をさせてくれるという主旨。周囲のお客さんたちも大勢巻き込んで大盛り上がりだったといいます。


続いて「陳列棚」を使ったアイディア広告を4つ。

7.大型バンのアンビエント広告

[国名:トルコ/企業名:FIAT]

フィアット社が製造する大型バンDucatoの店内プロモーション。「Ducato」が荷物を大量に輸送できるという点をわかりやすく訴求することが目的です。

スーパーの巨大な陳列棚の横側面にDucatoのフロント部分を設置することで、あたかも『巨大な棚全体の商品をDucatoが運送しているように見える』という仕掛けを施しました。

8.“何も入っていない”ペットボトルが売り物に!? 陳列棚を活かしたアイディア広告

[国名:シンガポール/企業名:PHILIPS]

シンガポールで実施された家電メーカー・フィリップスのアンビエント広告。PRする商品は油を使わずに揚げ物が作れるキッチン家電「エア・フライヤー」。

こちらを訴求すべく、大きな文字で「Air Oil」というラベルをつけた“空”のボトルをスーパーの食用油売り場の棚に陳列させました。

これにより、『オイルを使わなくても揚げ物が作れる』というAirFlyerの魅力を端的に表現しました。陳列棚を巧みに家電の広告スペースへと変えたアンビエント広告です。

9.「日常を区切ると、そこにはメディアが生まれる。」インドネシアLCCが実施したアイデア施策

[国名:インドネシア/企業名:Citilink]

インドネシアのジャカルタで、ローコストキャリア・エアラインのCitilinkが実施したアイディア広告。“LCCの中でもより多くの荷物を積むことができる”という、同ブランドのユニークなポイントを訴求すべく考案された施策です。

「1人27キロまで飛行機に積むことができる」ということを大きなバッグ型の枠を使うことで表現。これをスーパーなどの商品陳列棚に設置しました。枠だけなので中にある服や食べ物が見えるようになっており、「これだけ荷物が積めるんですよ!」ということを端的に訴求しています。このアンビエント広告はソーシャルメディア上などで大きく広まったといいます。低予算で展開された目の付け所が面白い広告でした

10.“もしハチが絶滅したら…” 米大手食品ストアの奇抜なCSR活動

[国名:USA/企業名:Whole Foods Market]

米大手食品ストア・ホールフーズマーケットによるCSR活動。同社は、“自然界に生息するハチが、いかに農作物の食品系に大きな影響を及ぼしているか”ということを市民に理解してもらい、ハチの保護を訴えるためにユニークな試みをあるストアで実施しました。

店内に所狭しと陳列されている果物や野菜などの農作物の約半数を、一時的に取り払ってしまうという企画。すなわち、「もしもハチが絶滅してしまったら、こんな風に食べられなくなる農作物が数多くあるんですよ」ということを、ダイレクトに訴求するというものです。

同社のプレスリリースによると、全453種もの店内の農作物からリンゴやたまねぎ、ニンジン、マンゴー、レモンなど237種も除去することになったといいます。

この試みはストアに来店したお客さんだけではなく、メディア(パブリシティ)を通じても市民に興味喚起ができたそうです。

その他切り口の「まとめ記事(リスト記事)」に関心のある方は下記からご覧ください

AdGangのまとめ記事一覧