Case:Parodies of World Leaders

今回ご紹介するのは「世界の首脳らをモチーフにしたキワドイ広告11選」。かなりブラックでセンセーショナルな広告は、あまりに挑戦的で、もう「凄い!」としか言いようがありません。

米・オバマ大統領の登場回数がダントツNO.1なのは、やはりアメリカが世界一の大国なのだという事を裏付けているのでしょうね。

世界の大物政治家たちをいじくり倒した勇気ある作品の数々、ぜひご覧ください。

1.“友愛”と“憎しみ”は表裏一体!?ベネトンによる衝撃的なプリント広告「UNHATE」

[国名:イタリア/企業名:BENETTON]

イタリアのアパレル・ベネトンによる、2012年カンヌライオンズでプレス部門のグランプリを受賞した作品。タイトルは「UNHATE」。

アメリカと中国、韓国と北朝鮮という対立する国同士の首脳がキスをしている生々しいビジュアルは、“コミュニケーションと相互理解を通じて、憎しみ合う文化を乗り越える必要性について訴える”というコンセプトのもと制作されました。

もちろん各国首脳らの写真は無断使用。ローマ法王をはじめ各方面から怒りを買った結果、一部掲載を取りやめたという、色んな意味で衝撃的な広告。他にもイスラエルとパレスチナ、米国とベネズエラ、ドイツとフランスなどのバージョンもあります。

2.コロンビア エアコンの広告 「UNHATE」再来か?

[国名:コロンビア/企業名:TRS]

上記の「UNHATE」企画と類似のキャンペーン。南米コロンビアで家電メーカーのTRSが制作したエアコンのプリント広告です。

米オバマ大統領と北朝鮮の金正恩第1書記が抱き合っているというクリエイティブにはコピーはなく、右上に小さく商品写真と「Air Conditioners」という表記がなされているのみ。『どんな冷えた関係も温められるようなエアコン』といったニュアンスのようです。

3.“モザイクの存在”が間違ったストーリーの伝達を助長する

[国名:UAE/企業名:Reporters Without Borders]

今にも“×uck you!”という声が聞こえてきそうな左上の写真(英:キャメロン首相)。こちらは“報道の自由”をうたって世界中で活動している「Reporters Without Borders(国境なき記者団)」による、報道に対する“検閲反対”を訴える啓発広告です。

広告メッセージは、『報道に検閲をかけることで間違ったストーリーを民衆に伝えることになる』というもの。メッセージを伝えるために、キワドイ箇所にモザイクをかけた英キャメロン首相、露プーチン首相、米オバマ大統領の写真を使用しています。

この作品は、カンヌライオンズ2011でプレス部門のブロンズを受賞しました。

4.南アフリカ飲食店のPV 『ただ一人残った独裁者は今何を想う…』


[国名:南アフリカ/企業名:Nando’s]

南アフリカのレストランチェーン「Nando’s」が、年末のホームパーティー用に発売した「6人用パーティパック」のプロモーション動画。コンセプトは、世界の悪名高き独裁者・ジンバブエのムガベ大統領が、今は亡き各国の独裁者と過ごした(?)楽しかった日々を回顧するという内容になっています。

動画の出だしは、哀愁漂うメロディーに乗せて、パーティの準備をするムガベ大統領(らしき人物)が登場。彼は招待客の名札を見つめ、「そういや、あいつらはもういないんだったな・・・」と淋しげに昔を懐かしみ始めます。

イラクのフセイン君とは砂の上でよく一緒に寝転がってはしゃいだよな~~。彼、戦争の後投獄されて、2006年末に処刑されちゃったんだよね。。。「黒いヒトラー」とか言われたアミン君とは一緒に戦車に乗ったよね。彼、亡命先のサウジアラビアで命を落したんだよな~~。みんないなくなっちゃった。次は僕かも。。。

とここで、「そんな孤独な独裁者のあなたも、誰か新しい仲間を募ってこの6人用パーティパックで楽しい時間を過ごしてくださいね!」という感じのナレーションで動画は終了。よくこのコンセプトで実施できると感心してしまうような、なんともセンセーショナルな動画でした。

5.オバマ大統領のモニュメントを通じて訴える“多面的視点の重要性”


[国名:アルゼンチン/企業名:Marcado Magazine]

国内外の政治経済の問題に鋭く切り込む雑誌「Marcado Magazine」によるアウトドアプロモーション。米オバマ大統領の有名なポスター『HOPE』をモチーフにしたモニュメントを、人々が行き交う広場に設置しました。

正面から見るとまさしくオバマ大統領ですが、この作品を視点を変えて横から見てみると、デモを行っている人の姿などがあらわになり、モニュメントのタイトルも『HOPELESSNESS(絶望)』へと変わります。

『物事を一つの側面からだけではなく、様々な視点で見るることにより、はじめてその物の本質を理解することに繋がるんですよ』と訴えているようです。そして『Marcado Magazineは、あなた方がそんな本質を理解する上で参考になる多面的な情報を提供します』ということも同時に示唆しています。

6.北朝鮮 金正恩第1書記を使った、フットワークの軽さがハンパない看板広告

[国名:USA/企業名:AshleyMadison.com]

“既婚者”でも参加できる出会い系サイト「AshleyMadison.com」による看板広告。ブランドメッセージは“Life is short. Have an affair.”(人生はあまりにも短い。浮気しようよ)というかなり過激なモノ。

同社が出稿した看板には、北朝鮮のトップである金正恩第1書記が「AshleyMadison.com」のトップページが開かれたスマートフォンを片手に登場します。そんな彼には矢印がついていて、そこには「Even if you look like him.」の文字が明記されています。

すなわち、「たとえあなたが金正恩のような(あんまり)イケてない容姿で、かつ結婚していたとしても、(浮気を)思う存分楽しみましょうよ!」ということを示唆しているようです。

こちらも「UNHATE」キャンペーン同様、北朝鮮側には100%許可をとっていないはずですが、「何かケチつけられたらそのとき削除すればいいや」という『いい意味(?)での適当さ』とフットワークの軽さが光る広告事例でした。

7.イギリス総選挙 平手打ちによる支持率計測器

[国名:UK/企業名:Albion]

2010年5月6日に総選挙を控えたイギリスにて、広告代理店のAlbionがライブで討論反応を測定するビューア「Slapometer」を立ち上げたました。

サイトでは、(当時)首相のゴードン・ブラウンや保守党代表のデイビッド・キャメロン、民主党のニック・クレッグのいずれかの顔に、マウスのカーソル(=手の形になる)をあて、左右にカーソルを振ると、彼らの顔を平手打ちすることができるようになっています。

つまり『あなたの非難・拒絶の意思を平手打ちを用いて示し、逆投票しよう!』というコンセプト。平手打ちした回数は、全てリアルタイムでカウントされ、“逆支持率がどの程度になっているか”、国民が随時確認することができたそうです。

8.オバマ、タイガーウッズ、パリスヒルトンでもぐっすり寝られるベッドマット

[国名:インド/企業名:Shivam Handloom]

インドの大手寝具メーカー「Shivam Handloom」によるベッドマットレスのプリント広告。

オバマ大統領や、タイガーウッズを引き合いにだして、たとえ“これほど大きな悩み”を抱えていたとしても、ぐっすり眠れるほど心地よいマットレスであることを示唆しています。“大きな悩み”のテーマ/対象の設定が絶妙ですね。

〇オバマ大統領の場合:金正日、ウサマ・ビン・ラディンなどの各国首脳
〇タイガーウッズの場合:数多くの美女とジャーナリスト
〇パリスヒルトンの場合:パパラッチのカメラと手錠

9.「カダフィ大佐」を起用した生命保険の広告

[国名:オーストラリア/企業名:Life Broker]

2011年に殺害された元リビアの最高指導者「カダフィ大佐」を起用した生命保険会社のプリント広告。リビアからは遠く離れたオーストラリアの生保「Life Broker」が同年9月に出稿したものです。

カダフィ大佐の肖像写真と「Life insurance?」というメッセージだけのクリエイティブ。政権を追われ、民衆蜂起が続く中、国内逃亡を続けているカダフィ大佐の窮状に対して、『あなた、生命保険に入らなくても大丈夫ですか?』(生保に入った方がいいですよ!)と表現しているようです。

広告が出稿された当時のカダフィ大佐ほど、命の危険に晒されている人はそうそういなさそうですが、それにしても何とも挑戦的なクリエイティブです。

10.「さよなら、ブッシュ(大統領)。」

[国名:オーストラリア/企業名:veet]

大手脱除毛ブランド・veetの新聞広告。オーストラリアでも評判の芳しくなかったブッシュ前米大統領が退任し、オバマ大統領の就任に合わせて出稿されたクリエイティブです。

メッセージは「Goodbye Bush」。ブッシュ大統領と、“女性の陰毛”の意味である「ブッシュ」をかけています。

11.「Durex」による、オバマ夫人とロムニー夫人の写真を使った“キワドイ”つぶやき

[国名:中国/企業名:Durex]

2012年、米大統領選挙でオバマ氏が再選を果たしましたが、この選挙結果の直後にコンドームブランド最大手の「durex」が、中国版Twitterとして知られる「Weibo」の自社アカウントで行った写真付の投稿をご紹介。

両手を大きく開いて笑顔を振りまくオバマ夫人の写真と、むっつりとあまり嬉しくなさそうな表情で指を一本立てているロムニー夫人の写真を上下に並べています。写真の上には、durexのロゴとともに、『(当選を果たした)オバマ氏とロムニー氏の違いは・・・』と中国語で記載されています。

写真にうつる彼女たちの仕草は、「何かの長さ」を測っているように見えます。端的にいうと、「うちの旦那は“これくらい”なの」と表現しており、そのサイズに満足したような表情のオバマ夫人と、不満顔のロムニー夫人を比較しているという訳です。

そして「“これ”こそが当選したオバマ氏と落選したロムニー氏の違いなんだ」と、durexがジョークでフォロワーとコミュニケーションを図っていたのでした。

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