Case: ゴディバ「Wink & Smile Project」

話題になった(=「バズった」)日本国内の広告・クリエイティブの事例の裏側を、案件を担当した方へのインタビューを通して明らかにしていく連載「BEHIND THE BUZZ」。

今回は、今年のバレンタインデーシーズンとホワイトデーシーズンに実施された「Wink & Smile Project」。店頭に設置されたマシンで、ウィンクをするシーンを撮影し「本気度」を測定。「大好き」「一緒にいてね」などコメントを加えて、SNSを通して大切な人にシェア出来るイベントです。

「バレンタインデーといえば」真っ先に思い浮かぶ伝統あるチョコレートブランドの新たな試みは、日本オリジナルの施策でした。実施の裏側をゴディバ ジャパン株式会社 マーケティング・マーチャンダイジング部・コミュニケーションズ マネジャー 埋田麻衣さんと、ゴディバ ジャパン株式会社 マーケティング・マーチャンダイジング部・コミュニケーション担当 五十嵐理沙さんにお話を伺います。

Interview & Text : 市來 孝人

普段なかなかすることのない「ウィンク」を組み込み、楽しんでもらう

—今回のキャンペーンは、どのようなきっかけで実施となったのでしょうか。

この「Wink & Smile Project」の一年前、昨年の同時期に「これまでの広告・PRだけではない新しいことをしていこう」と、“ハグ・ドール”をぎゅっとした強さを数値化し、その数値の証明書とチョコレートをプレゼントするという「Love & Hug Project」を実施しました。このように、SNSで話題にしやすい施策を行うことで、これまでリーチ出来なかった層への訴求を狙いました。

—昨年のハグに続いて、今年「ウィンク」をテーマにした理由は何でしょう。

昨年のハグも今年のウィンクも、日本人が普段気持ちを表現する時になかなかしないものですよね。バレンタインやホワイトデーシーズンという特別な時期だからこそ、普段はなかなかする機会がないことをしてみることが面白いのではないかと考えました。

また、今年のバレンタインコレクションのテーマが「メサージュ(フランス語でメッセージ)ショコラ」だったので、そのコレクションの特徴に即して「メッセージを届ける」ものにしようと。ウィンクとともに、言葉を組み合わせてメッセージを選べるようにしました。

—マシンを設置した店舗はどのように選んだのでしょうか。

昨年のキャンペーンでも結果が良かった所が中心です。また、こういった体験型の施策だと若い方にも楽しんでもらいやすいので、「買い物」だけではなくその街や施設に「遊び」に来ているような方が集まる店舗ですね(お台場・ダイバーシティや原宿など)。

イベントを楽しんでもらうだけでなく「ついで買い」効果も

—お客さまからの反応はいかがでしたでしょうか。

「こんなこともやっているんですね」という好評な声を頂いたことももちろんですが、イベント参加のついでにドリンクを買って頂くなど、「ついで買い」の動きも多くありました。

またこのプロジェクトを実施したことにより、「親近感が湧く」「新しいことに挑戦する」「現代的だと思う」「遊び心・ユーモアがある」というイメージが新たに浮かぶという調査結果が出ました。まだまだ弊社は伝統的・お堅いというイメージがあったようなので、ブランドとして新しいイメージを伝える良いきっかけになりました。

—今回のような「新たな施策」をやっていこうという話は、社内ではいつ頃から挙がっていたのですが。

ここ10年ほど、新しいお客さまを開拓していくべく伝統的なチョコレートだけではない焼き菓子やアイスクリーム、ドリンクなど商品のラインナップ拡充からチャレンジを始めていました。店舗ももっと買いやすいレイアウトにしていますし、今回の施策もそれらのチャレンジの延長線上ですね。

日本の独特な商習慣も理解されている中で、国内独自の施策として実施

—本社にお話を通された際は、どのような反応でしたか。

今年はキャンペーンとしては(昨年に続き)2回目なので、比較的話をしやすかったです。ローカルなマーケットを尊重してくれているので、順を追って説明すると理解してくれました。日本のバレンタインデーにおける独特な習慣(女性から男性にチョコレートを贈る)もよく理解してくれていると感じます。

—グローバルで情報交換されたり、そこからヒントを得ることもあるのですか。

情報はシェアしていますが、横展開はキャンペーンのシーズンが終わった情報であることも多くなかなか難しいのです。また、今回のマシンを設置する取り組みも日本オリジナルです。

—今後の展開の可能性についてお聞かせ下さい。

何らかの形でインタラクティブな施策はやっていきたいです。一方的に発信するメッセージだけではなく、SNSも活用しながらと考えています。

—ちなみに、現在力を入れているSNSはどちらになりますか。

Facebookは自社でページを持っているという点で力を入れていますね。自社のスタッフが担当していて投稿も通り一遍のような言葉にならないように気をつけていますし、社内にいる分、直接開発担当と接触したり、商品を口にした感想を伝えることもできます。自身の言葉で発信し、お客さまとコミュニケーションが取れることが大切だと考えています。

【Interviewee】

ゴディバ ジャパン株式会社
マーケティング・マーチャンダイジング部・コミュニケーションズ マネジャー
埋田 麻衣さん(右)

ゴディバ ジャパン株式会社
マーケティング・マーチャンダイジング部・コミュニケーション担当
五十嵐 理沙さん(左)