Case:Creative Ads in Airports

空の玄関口、空港。多くの人が行きかう場所であると同時に、旅の始まり、大切な人との再会と別れなど、エモーショナルな場所でもありますね。

今回は誰にとっても特別な場所である、世界の空港を舞台にしたクリエイティブなプロモーションをまとめてご紹介します。

1.奇跡を起こすエアライン! カナダLCCが手掛けたクリスマスサプライズ

[国名:カナダ/企業名:WestJet]

カナダのLCCの代表格であるWestJet航空が乗客たちに提供したクリスマスサプライズ企画。

同社が出発ゲートに設置したのは、プレゼントの形をした大きなスクリーン。搭乗券をスキャンすると、画面の向こうのサンタクロースとリアルタイムでお話することができ、サンタはひとりひとりに「贈り物は何がいい?」と問いかけます。「大きなテレビ!」「アンドロイドのタブレット!」などそれぞれ欲しいプレゼントを答え、画面の前で乗客たちは大はしゃぎしますが、本当のサプライズはここから。

乗客たちが搭乗すると、170名以上のスタッフが一斉に駆け出します。彼らの夢を叶えるために、飛行中にプレゼントを買い求め、空港に降り立った時にプレゼントしようというのです。

無事フライトを終え、カルガリーに降り立った乗客たちを待ち構えていたのは、搭乗前にサンタにリクエストしたプレゼントでした。この感動のサプライズ企画を収めた動画は、わずか4日で1,600万回以上も再生され大きな話題を呼びました。

2.コカ・コーラのロゴに「世界で最も幸せな国」の国旗が隠されていた!?


[国名:デンマーク/企業名:Coca Cola]

「世界で最も幸せな国」と言われるデンマークで、コカ・コーラがブランドメッセージである“Happinessのシェア”を体現するプロモーションを仕掛けました。

誰もが一度は目にしたことのあるコカ・コーラのロゴに、「デンマークの国旗が隠れている」という遊び心のある発見から着想したこの企画。同社は、国際線の到着ロビーにコカ・コーラのロゴが大きく目立つ、一部細工を施したポスターを掲示しましました。

このポスター、ロゴの「O」の部分にポスターの背面から“デンマークの国旗(Happy Flag)”が挿入されていて、表から誰もが1本ずつ国旗を手に取っていけるようになっています。

到着ロビーで飛行機から降りて入国する人々を、大勢の人がこの国旗を手に持って歓迎することで、出迎えられる人、出迎える人ともにちょっと幸せな気分にさせてくれるという仕掛けでした。

1日で2,400本の“Happy Flag”が振られ、30カ国から25,000人の入国者を歓迎したそうです。

3.挑戦者求む! ハイネケン、“渡航先をルーレットに委ねる”空港プロモーション


[国名:USA/企業名:Heineken]

大手ビールメーカー・HeinekenがニューヨークJFK空港で実施した、旅行客をターゲットにしたユニークなプロモーション。

その名も、“Departure Roulette”(出発先をかけたルーレット)。
合言葉は、“Drop Everything.Push Button”(すべてを投げ捨てて、ボタンを押そう!)。

ルーレットの挑戦者はまず、「渡航先を必ずルーレットが表示した土地へ変更する」ことを約束させられます。結果がどこであろうとも、元々予約していた航空券はキャンセルし、ルーレットの運命に従い、目的地を変更して、直ちに出発するというゲームです。

1人目の挑戦者がルーレットを回したところ、目的地はキプロスと表示されました。この旅行者は祖父母と6週間ウィーンで滞在する予定でしたが、急きょ予定を変更。Heinekenから至急された2000ドルの滞在費でキプロスで2泊の旅を送ることになったそうです。

こちらの試みはテレビやWebで数多くパブリシティになっており、PRとして成功を収めたようです。

4.格安航空券予約サイト、Tシャツを使ったゲリラPR

[国名:オランダ/企業名:BudgetAir.nl]

空港利用客に対して『格安航空券の購入ならBudgetAir.nl』という認識を広めることを狙いとしたゲリラプロモーション。

一般旅行客の“嫉妬心を煽るメッセージ”の入ったTシャツを着用させた自社のプロモーター(=人メディア)に、アムステルダムの国際空港を“普通の旅行客を装わせて”利用させるという企画です。

Tシャツに記載されているメッセージには、「BudgetAir.nlだと非常に安い金額で目的地までの航空券を買える」や、「(Tシャツを着ていない人、すなわちBudgetAir.nlを使わず航空券を購入しているあんたらは高い金払って航空券を買って)ご愁傷様!」や「騙されてお気の毒に!」などの辛辣な文句も含まれていました。

これらプロモーターには空港だけではなく、飛行機の中でもTシャツを着用させて周囲の旅行客にメッセージを訴求したといいます。

5.空港で嬉しいドッキリ企画! ザッポスが仕掛けたハピネスを届けるベルトコンベアー


[国名:USA/企業名:Zappos]

米国ネバダ州に本拠を構える、靴を中心としたアパレル通販サイトのザッポスが、ホリデーシーズン到来に合わせた素敵なプレゼント企画を実施しました。

舞台となったのは、テキサス空港の荷物引渡所。荷物が流れてくるベルトコンベアーをルーレットに見立てて、コンベアーの各パーツに賞品の写真をレイアウトします。見事荷物が賞品写真の上に落下したら、荷物の所有者がその賞品をゲットできるという企画です。

用意された賞品は、Zapposの商品券、ザ・ノースフェイスのジャケット、アグのブーツ、キッチンエイドのミキサーなど魅力的なものばかり。ちなみに、複数の荷物を預けていた人のそれぞれの荷物が、複数の賞品写真の上に落下しても、もらえる賞品は一人につき一つだけだったそうです。

6.4Gネットワークの“常識を超えた速さ”を訴求する、前代未聞の『動く歩道』


[国名:フランス/企業名:Orange]

仏大手通信会社・Orangeによる、4Gネットワークのアンビエントプロモーション。同社の4Gネットワークが従来の回線と比べて“いかに高速化したか”を直感的に訴えるために、人々の既成概念の中で“ゆっくりとしたもの”と認識されている、空港にある『動く歩道』をプロモーションに応用したものです。

動く歩道の一つを改造して、入口のそばに「Experience High-Speed」と記した看板を掲示します。

看板を確認して、おもむろに動く歩道に一歩踏み出すビジネスマン。足を踏み出した瞬間、上半身がついてこられないほどの物凄いスピードで体が前進します。通常の何倍ものスピードで動いている歩道にビックリしている彼を、周囲にいる人たちも笑いながら見ている模様がPR動画に収められています。

出口の上の大きな掲示板には、「Experience High-Speed 4G From Orange」と記されているという仕掛けでした。4Gネットワークが今までの回線の“常識を超えた速さ”であることを、ユニークな形でコミュニケートしています。

7.KLMオランダ航空 マジックで座席の快適さをPR


[国名:オランダ/企業名:KLM Royal Dutch Airlines]

KLMオランダ航空がイギリスのマンチェスター空港にて行った、マジシャンのRamana氏による実演広告。

マジック実演を通して、「KLMオランダ航空の座席シートが如何に快適か」を示す企画です。

『いかにも居心地の良いイスに座っているかのような』空気椅子のマジックでは、KLMオランダ航空のエコノミークラスの座席に実際に座った際の姿勢や座席の高さが忠実に再現されていたといいます。

8.飛行機の座席が“よくない”ほどチョコが沢山もらえるサンプリング


[国名:デンマーク/企業名:Anthon Berg]

デンマーク王室御用達のチョコレートメーカー・アンソンバーグが、空港で行ったキャンペーン。

航空会社・行き先・飛行機の機種などの情報をもとに、良い/悪い座席を教えてくれるサイト「SeatGuru」とタッグを組み、“座席の快適さ判別マシーン”を開発、空港内に設置しました。

旅行客が自分の搭乗券をこのマシンにスキャンさせると、自動的にSeatGuruの持つデータベースと照合され、その座席の快適さが判定されます。そこで“快適”と結果が出た人には、アンソンバーグのチョコレートを少しだけプレゼント。“普通”の判定には、ひとまわり大きなサイズの袋に入ったチョコレートを。

そして“あまり良くない席”と判定されると、さらに大きな袋のチョコレートに加え、アイマスクやネックピローなど、機内で快適に過ごすためのグッズがもらえます。“空の旅を、美味しいチョコレートでアップグレード”という搭乗客のインサイトを突いた、ユニークなサンプリングでした。

9.反人身売買のPR “Woman in a suitcase”


[国名:ドイツ/企業名:Amnesty International]

アムネスティインターナショナルによる、毎年50万人以上の女性や女の子が人身売買の危機にさらされているという事実を周知させるためのアンビエント広告。

女性を詰め込んだ透明なスーツケースを、ドイツ国内数か所の空港の手荷物受取所で流し、空港利用客やマスコミからの注目を喚起しました。

非常に窮屈な状態でスーツケースに詰め込まれている女性の怯えて苦しそうな表情が真に迫っていて、「人身売買」の非情さを直感的に表現しています。

10.空港の「バイバイ」の後には、いつもすぐ「会いたい」がやってくるから。


[国名:ハンガリー/企業名:Budapest Airport]

ハンガリーのブタペスト空港で、バレンタインデーに実施された素敵なアンビエント広告。

空港での大切な人との時間はあっという間に過ぎてしまうもの。でも逆に、別れた後の出発までの待ち時間はすごく長く感じます。ちょっと前まで一緒にいたのに、またすぐ「会いたい」と思ってしまいますよね。

そこで、プタペスト空港は、別れたあとの人々をもう一度、繋げることにしました。ハート形のカメラで別れたばかりのひとのメッセージを撮影し、それを出発を待つ人の元に届けてあげることにしたのです。

相手を探し出し、もう一度「お別れのメッセージ」を見せると、思わずみんな笑顔に。「空港での別れ」というシチュエーションを考え抜いて、コミュニケーションの機会に変えたインサイトフルなアイディア企画でした。

11.“アクビ”をすると無料でコーヒーがもらえるマシーン


[国名:南アフリカ/企業名:Douwer Egberts]

南アフリカのコーヒーブランド・Douwer Egbertsが、空港で手がけたアンビエントプロモーション。

長距離旅行で疲れて、カフェインを必要している人をターゲットにした試みで、“アクビをするとコーヒーが無料で抽出される”マシーンを国際空港内の到着ターミナルに設置しました。

マシーンにはコインの投入口などはなく、旅行客が目の前で眠くてアクビをすることにより、コーヒーがカップに注がれます。仕掛けは、マシーンに搭載された顔認証機能を使ったもので、“アクビ顔”を正確に測定して作動するといいます。

眠くて疲れた旅行客に好評だったようで、瞬く間に210杯のコーヒーがサンプリングされたそうです。本当にコーヒーを必要としている人、すなわち“眠くてアクビをしている人”をターゲットにしたユニークなサンプリング企画でした。

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