Case: Meet the world

ポルトガルのニュース雑誌「Grande Reportagem」による国旗のデザインを活かしたプリント広告。
広告タグラインは、“Meet the world”。

世界各国の“その国固有の社会情勢・深刻な社会問題を示す”統計データを、国旗のデザインに重ね合わせて表現するというクリエイティブです。

たとえば赤色の背景と黄色の星でできた国旗を有する中国の場合は、大きな赤色の部分が「14歳で働いている子どもの数」、黄色が「14歳で教育を受けている子どもの数」といった具合。

世界第2位の経済大国となった今なお、圧倒的大多数のティーンエイジャーが教育を受けられていないという実情を端的に示しています。
(※統計値の割合は、国旗デザインに当てはめるためある程度誇張されていると思われます)

続いて南米コロンビアの場合は、赤色が「バナナの輸出量」、青色が「コーヒーの輸出量」、そして最も大きな黄色が「コカインの輸出量」といった具合。

特産品として知られるバナナやコーヒーの輸出以上に、コカインを世界各国に大量に輸出しているという実情を示しています。

アフリカの角と呼ばれるソマリアの場合は、青色が「性器切除[割礼]を受けている女性の数」、白色の星が「性器切除[割礼]を受けていない女性の数」。

大多数の女性たちが虐げられているという悲惨な現状を表しています。

アフリカ南西部に位置するアンゴラの場合は、同じサイズを占める赤色と黒色がそれぞれ「HIVに感染している人の数」、「マラリアに感染している人の数」で、黄色の模様部分が「病院・診療所に通える人、医療を受けられる人の数」です。

劣悪な環境下にあるにもかかわらず、医療の普及がままならない実情を示しています。

ブラジルの場合は、最も大きな緑色が「月10ドル以下で生活している人の数」、続く黄色が「月100ドル以下」、青色が「月1000ドル以下」、そして極小サイズの星が「月100,000ドル以上生活費にかける人の数」です。

成長著しい同国が直面する“貧富の差の激しさ”を如実に表しています。

そしてラストはアメリカ。

赤色は「イラク戦争に賛成する人の数」、白色は「イラク戦争に反対する人の数」、そして青色は「イラクがどこにあるかすら知らない人の数」です。

物凄い皮肉がきいていますね。

『国旗』という国のシンボルを使って、その国の実情(深刻な課題)を端的に浮き彫りにするという企画。各国の『国旗』のデザイン性の高さを改めて感じるとともに、世界中の国々について興味を持たせるきっかけになりそうな秀逸な広告表現だと思いました。