Case:2012 World Creative Print Advertising

2012年の世界のクリエイティブなプリント広告をまとめて10件紹介します。
見る人の想像力をかきたてるような素敵な作品の数々をご覧ください。

1.ブラジル赤十字の広告 “あなたの手助けが我々と傷病者を繋げます”


[国名:ブラジル/団体名:赤十字]

ブラジル赤十字の寄付を促すプリント広告。赤十字のスタッフが要救助者に手を差し伸べる様子を描いているクリエイティブ。あなたの助け(寄付)が、私たち「赤十字」と「紛争・災害・病気などで苦しむ人」を繋げます、と示唆しています。

赤十字を表す「十字マーク」と、追加・助け・協力を暗に意味する「+(プラス)」をかけています。
赤色の十字マークがはえるようにそれ以外を全て白黒にすることにより、『(あなたのほんの少しの助けだけ)足りないんです』というメッセージを巧妙に視覚化しています。

2.思わずミルクと一緒に食べたくなるオレオの破壊力抜群な広告


[国名:韓国/ブランド名:Oreo]

お菓子ブランド「オレオ」が、ミルクと最もあうお菓子である点を訴求するために出稿したプリント広告。広告タグラインは、Basic instinct(人間の基本本能)
『右も左もわからない生まれたばかりの赤ちゃんでさえも、母乳(ミルク)の“おとも”としてオレオを選ぶんです』ということを示唆するクリエイティブ。

母乳を飲みながらもオレオを見つめる赤ちゃんの視線が何ともいえない哀愁を誘います。

3.ドイツの老舗筆記具メーカー、世界的油彩画を数千本の色鉛筆で模写


[国名:シンガポール/企業名:Faber-Castell]

ドイツの老舗筆記具メーカー「ファーバーカステル」による、最高級品質のアーティスト向け色鉛筆のプリント広告。
世に広く知られた名画「夜のカフェテラス」(ゴッホ作)が、数千本もの色鉛筆の現物をぎっしりと並べて制作されているというクリエイティブ。

この世界的名画は数多くの絵具の色を重ね合わせることによる、独特の色合いが印象的な油彩絵画として知られていますが、『ファーバーカステルの最高品質の色鉛筆であれば、色の種類も多岐にわたるため鉛筆自体を素材とするだけでもここまで味のある作品にも仕上げられるんですよ』、と示唆しているかのようです。

4.バーガーキングの思わず目を見開かされるプリント広告 – Hamburger Eyeshadow


[国名:オランダ/企業名:Burger King]

いつもユニークな広告で楽しませてくれる「バーガーキング」。今回のこの広告のタグラインは、“Get a tasty new look”。ご覧の通り、アイシャドウでチーズバーガーを描くというクリエイティブ。インパクトも大きく、超クールですね。

5.日本人では絶対思いつかない寿司屋の広告 「寿司」が「華の都パリ」と出会うとこうなる!!


[国名:フランス/企業名:PLANET SUSHI]

今や世界でも人気の日本食「お寿司」。そんなお寿司を華の都パリで提供するチェーン店「PLANET SUSHI」のプリント広告。広告タグラインは、“Take Pleasure In The Taste”
お寿司を口に入れた瞬間の様々な味の広がりを表現すると同時に、「食べる楽しさ、心躍るワクワクする体験も一緒にお寿司の中に包み込んでいます!」ということを表現したいのではないかと思います。

華の都パリと寿司が出会うとこうなるんですね。寿司というものに抱く先入観から、恐らく日本人には到底思いつかない表現だと思いました。

6.反児童虐待広告 “虐待の連鎖”をこれ以上ない程リアルに訴えるプリント広告


[国名:メキシコ/団体名:Save the Children]

世界各地で子供の支援活動に取り組む「セーブ・ザ・チルドレン」の反虐待を訴える啓発広告。キッチンでお父さんと思われる男性が小さな男の子を今にも叩こうとしています。そしてその周りを、少年や青年と思われる人たちが取り囲んでいるというクリエイティブで、『虐待の連鎖』を想起させる表現になっています。

広告メッセージは、『虐待されて育った子供の70%が、虐待する大人に成長する。セーブ・ザ・チルドレンに寄付して、この悪循環を断ち切るために協力してください』というもの。こちらの作品は今年のカンヌ プレス部門も受賞しています。

7.シンプルだけど物凄く雄弁なスイス・ユニセフの啓蒙広告 “飢餓に苦しむ子供に救いの手を”


[国名:スイス/団体名:Unicef]

世界の食料問題を考える日”として国連が制定した「世界食糧デー」に合わせてユニセフ(国連児童基金)のスイス支部が製作した啓蒙広告。
世界では飢えが原因で死亡する子どもたちが毎年250万人も存在するそうですが、そんな子供たちにとって「あなたの寄付が必要なんです!」ということを訴えるために、食事をするときに使用する『フォーク』をあたかも『飢餓に苦しむ幼い子供たちの手』に重ね合わせて描写するというクリエイティブ。

「飢えに苦しむ子供たちの手に、あなたが毎日食事をするときのように、食べ物をのせてあげてくれませんか?」というニュアンスかと思います。フォークの先の一本を少し短くするだけですが、メッセージ性が強く、物凄く雄弁に語りかけてきます。

8.違法ダウンロード問題の“加害者と被害者の関係性”を如実に示すクリエイティブ


[国名:ドイツ/企業名:MTV]

音楽専門TVチャンネル MTVが違法ダウンロード問題に絡めてドイツで制作したプリント広告。広告コンセプトは、【ファイルダウンロード中を示すバー】です。
(こちらは上の画像をクリックして拡大するとわかりやすいのですが)「ダウンロード完了」を示す青色部分を構成するのはPCや携帯を片手に、モラルを失い自らの欲望にだけ忠実な“暴徒”と化した違法ダウンロードユーザー達。
そして、「これからダウンロードしていく部分」を示す白色は、増殖する違法ダウンロードユーザーの脅威にさらされて今にも力尽きようとしているアーティストやミュージシャンを表現しています。

「違法ダウンロードはやめて、MTVをつけて音楽を楽しもうよ!」というニュアンスです。切実な違法ダウンロードの問題、加害者と被害者の関係性を示す秀逸な表現です。

9.PLAYBOY創刊40周年を祝う、ランジェリーブランドのオシャレな広告


[国名:ドイツ/企業名:Palmers]

オーストリアでNo.1の人気ランジェリーブランド「Palmers」が、男性誌Playboyの創刊40周年を祝して制作したプリント広告。同ブランドは、セクシーさがウリのランジェリーを扱っているだけに、魅力的で妖艶な美女がグラビアを飾るPlayboyに幾度となくランジェリーを提供しているという間柄です。

Palmersの黒いストッキングを身に付けた蠱惑的な表情をした美女が頭の後ろで脚を交差させることで、Playboyの象徴であるバニー(うさぎちゃん)を表現しています。Palmersの黒いストッキングがあたかもバニーの耳に見えるという演出。
メッセージは、「Happy birthday to Hugh.」。“Playboy”の伝説的な発刊者であるヒュー・ヘフナー氏にダイレクトに向けられた表現。ブランドとの連携も見事で素晴らしくオシャレでセクシーな広告。

10.Volkswagen、ロゴを逆さまにして“安全装置の有効性”を表現する秀逸なプリント広告


[国名:インド/企業名:Volkswagen]

自動車メーカー「フォルクスワーゲン」の新たに改善された事故安全装置を訴求するためのプリント広告。「V」と「W」を上下に配した同社のロゴマークを逆さまにしたクリエイティブ。
逆さまにしたロゴの間に黒リボンを結ぶことで、ロゴで柔道家・空手家を表現。広告タグラインは、“Stands tough even in worst flip overs.”
(たとえひっくり返るほどの最悪なスリップが起きても、しっかりと立っている)

同社の“改善された安全装置の素晴らしさ”を、“逞しく、屈強で困難があっても立ち向かっているイメージのある柔道家(空手家)”にかけて示唆しています。観察眼と発想の柔軟性に感心しました。

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