Case:Augmented Reality Mugs

髭のお手入れに必要なグルーミングキットの販売大手「フィリップス」が台湾の成人男性をターゲットに仕掛けた一風変わったARプロモーション。

ARを活用したプロモーションは、『驚きの体験をターゲットに提供することはできる』ものの、ターゲットに事前にアプリをダウンロードしてもらう必要があったり、スマホなどのモバイル端末をかざしてもらう必要があったりと、ユーザーにとっては少しばかり面倒なアクションを能動的に行ってもらう必要がある点がネックといえます。

今回の企画は、ユーザーにとって面倒なことを全て省いて、スマホも、アプリも不要な“アナログなARプロモーション”になっている点が特長です。

背景・狙い

台湾では73%以上の成人男性が、髭でオシャレを楽しむことに無頓着で、ほとんどの人が髭は綺麗に剃ってしまうそうです。
そのような状況下において同社は、お手入れ用のグルーミングキットを新たに売り込んでいくために、男性たちが最も「自身の見た目を意識する」とともに、「見た目に対して他者からの提案を受け入れやすい」シチュエーションはどんな時かを考え、その結果、『美容院』に白羽の矢をたてました。

施策内容

男性が美容院に行き、今まさにカット始める際につけられる“カットクロス”には“ひげ剃りを持つ手”が描かれています。

そのあと美容院のスタッフがドリンクを持ってきてくれますが、このマグカップにはヒゲが描かれていて、ドリンクを飲もうとする目の前にある大きな鏡には『自分の顔にヒゲが生えたように見える』という仕掛け。

お客さん本人には「あれ、俺って結構ヒゲ似合うんじゃね」と思ってもらったり、美容師さんからは「お客さん、そんな感じのヒゲがあると今よりずっと男らしく見えていいですよ!」といったアドバイスなんかがなされるイメージです。

ちなみに、マグカップにつけるヒゲにはいろんなパターンがあり、似合うかどうかいろいろ試せます。

そして、マグカップを置くコースターは『グルーミングキットの50%OFFチケット』になっているという仕掛けです。

結果

この“ローテクAR”を体験した95%もの男性がヒゲに対するイメージが変わったと答えているそうで、実際にディスカウントチケットの使用率は25%に至りました。
同社では通常客1人を獲得するのに64ドル程度コストがかかるそうですが、今回の企画では1人あたりわずか2ドルで済んだそうです。

実際の販促に繋がっている点が素晴らしいですね。
ターゲットの“目を見開かせる場所”として美容院を選んだ点、美容院ならではの特徴(大きな鏡が必然的にターゲットの目の前にある 等)を巧妙に生かした施策が面白いです。

ターゲットにとって、“普通に生活していてふと出くわした企画”だからこそ、意識を変えさせ、行動を促すことに繋げられているのだと感じました。

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フィリップスの秀逸な広告/プロモーション(まとめ)

動画はコチラ

参考サイト

・Creative Criminals
http://creativecriminals.com/ambient/philips-augmented-reality-mugs/