Case:The Ad Makeover

全ての女性が自分らしくポジティブに生きることを応援するブランド「Dove」がオーストラリアで手掛けたユニークなFacebookキャンペーン。「Dove」と言えば、Real Beautyキャンペーンで制作した「現代人の“美”に対する認識がいかに歪んだものか」を投げかけた『evolution』という動画が有名ですが、今回の企画は特に女性たちを取り巻く『オンライン広告環境』に物申す施策です。

背景

「Dove」は現代の女性向けの多くの広告が、女性の美しさに対する不安をあおり、彼女たちの気分をへこませるようなものばかりだと批判しています。

例えば、『最近下腹部が出てきたあなたに・・・』や『皺が気になりだしたらこのクリームをどうぞ』といった主旨の広告がFacebookの右端にあるターゲティング広告欄などで散見されることにより、女性達が自分自身のことを“ネガティブ”に捉える契機になると危惧しています。

事実「Dove」が最近実施した調査によると、わずか4%の女性しか「自分の美しさに自信を持てない」という衝撃的な結果が出たそうです。

施策内容

「Dove」はこのような状況を看過できないと考え、女性たちにポジティブになってもらおうと意図して「Ad Makeover」というFacebookアプリをリリースしました。

このアプリは、Facebookの女性ユーザーが、自分自身がポジティブになれるメッセージのFacebook広告を作成することができ、不愉快な既存の広告と入れ替えて表示することができるというアプリです。

広告で表示する用の“ポジティブになれるメッセージ”を以下画面にて自由にセレクトできます。

自分が選択したメッセージが、これまた自分の好みの色合いで広告枠に表示されるだけでなく、広告本文にはユーザー自身の名前の他、「あなたも不快な広告をポジティブなメッセージに変えて、発信しませんか」といった内容が表示されるようになっています。

※念のためですが、こちらはあくまでもFacebookアプリ上で広告クリエイティブを置き換えているだけのため、実際の広告が消えてなくなっているわけではありません。(この点で一部のメディアからは“誤解を生むコミュニケーション”だと批判されています)

当キャンペーンは500万人もの女性にリーチすることをゴールに展開中だそうです。

今回の取り組みについて、Facebookのターゲティング広告が「うっとうしい」、「不快だ」と感じる大勢(?)の女性のインサイトを捉えた巧妙な取り組みだと感じます。「ターゲティング広告」とはなばかりで、本当の意味でのターゲティングができていないのではないか、という業界を揶揄するメッセージも読み取れます。

同時に、2006年に話題になった動画『evolution』もそうですが、ターゲットを取り巻く「広告業界の慣習」に対してあえて問題提起を行って批判することにより、自らのブランドメッセージを際立たせてクリアに腹落ちさせようという方法論に強く興味を抱きます。

「広告業界の慣習(問題)」をブランドコミュニケーションの『対立軸』に据えるというコンセプトと、その問題解決のアプローチとして、「Facebook広告をリプレイスする」という施策が見事にはまったキャンペーンだと感じました。今後どれほどの成果に至るかも期待大です。

世界各地で実施されたDoveのユニークな広告に関心のある方は下記もご覧ください。

Doveの卓越した広告/プロモーション(まとめ)

動画はコチラ

参考サイト

・viralblog
http://www.viralblog.com/facebook-marketing-2/replace-bad-ads-with-doves-ad-makeover/
・The Ad Makeover
https://www.facebook.com/dove/app_268922816518670