Case: Teddy Gun

民間人の銃保有率が世界一の国、アメリカ。毎年3万人以上もの銃による死者を出しながら、それでも銃規制が遅々として進まない大きな理由として『個人が武装する権利』が憲法で保障されていることが挙げられます。

銃の扱いに対する法規制の必要性を強く訴える、イリノイ州の非営利団体・Illinois Council Against Handgun Violence(ICHV)は、人々にこの問題についてあらためて考えてもらうための啓発キャンペーンを打ち出しました。

同団体が制作したのは、テディベアの顔の部分にリボルバーと銃口が埋め込まれた小型銃。ふわふわで癒される、子供が大好きなテディベアとは全く異なり、冷たいメタリックな質感が何とも言えない不気味さを醸し出しています。

アメリカでは、ぬいぐみのテディベアには“様々な安全性に関する規制”がありますが、一方で銃に関しては“ただライセンスを取得するだけ”。この違いを、ICHVは『テディガン』と名付けた銃を作ることで明らかにし、問題提起をしたのです。

この取り組みは各種メディアで取り上げられると、1億3,500万回以上のインプレッションを獲得。さらに広告換算額は2,600万ドルに達するなど、大きな反響を呼びました。

またシカゴ市内でこの銃を展示したり、ポスターを街中に掲示したところ市民の注目と賛同を集め、その結果イリノイ州議会で規制法案が可決するという成果をもたらすことに成功したのです。

子供たちが愛してやまないテディベアを、人の命を奪う凶器へと変えたことは非常にショッキングではありますが、銃のある生活に慣れてしまった市民にいま一度考えてもらうためにはこれくらいのインパクトが必要だったのかもしれません。

本施策は2017年カンヌライオンズでPR部門で金賞を、そしてデザイン部門及びプロモ&アクティベーションで銀賞を受賞しています。


Cannes Lions 2017: Teddy Gun, Illinois Council Against Handgun Violence (FCB Chicago) from MediaCat TV on Vimeo.