気鋭のクリエイターが、アーティストや俳優などの表現者とタッグを組み、新しい形の動画作品を制作する番組『○○と新どうが』(テレビ東京で月~木曜 深夜1時30分/金曜深夜1時53分より放送)。完成作品は「LINE LIVE」にて「Portrait Film Project」としてアーカイブ。番組放送と連動しての生配信なども行われています。

AdGangでは、この『○○と新どうが』で動画作品を手がけたクリエイターに取材。作品の内容とともに、制作過程で感じた”縦型動画”の可能性なども伺っていきます。

OA第3弾は、BBDO J WESTの眞鍋海里さんによるもの。超特急『gr8est journey』を題材に、メンバー7人を個別に撮影、個別に撮影した動画をスマホで”連結”すると一つのMVになるという動画です。さらには8号車=ファン代表としてココリコ遠藤章造さんのパートも撮影。8号車をスマホで”連結”した楽しみ方も。今回は眞鍋さんとともに制作を手がけた、太陽企画 堤麻理子さん、PARABORA 喜田葉大さん、大東修治さんにも同席いただきました。

苦難・・・「個別でも面白い、連結させたらもっと面白い」の実現

―この作品のコンセプトについてお聞かせください。

眞鍋:最初に考えたのは、「ファン全員が満足するMVとは?」ということと、「ファンの輪がどんどん広がっていくMVとは?」ということです。まず、超特急が7人グループだったので、通常のMVだと、自分の推しメンが小さく映っていたりカットが限られたりするので「推しメンをたっぷり堪能したい」というファン心理があるだろうなと。それなら、そもそも縦型だと7人全員入らないから、個別MVをメンバー分7本撮っちゃおうと考えました。そして、それが連結できる。この「連結できる」というのがポイントで、それによって全体のパフォーマンスもしっかり堪能できますし、連結すると個別のストーリーがつながり、一本の壮大なストーリーになっている。そうなるとファンは絶対に連結したくなるので、自ずと自分のファンじゃない友達や家族に声をかけるはず。なので、今回のプロジェクトはファン全員に喜んでもらいつつ、ファン以外の人でも「面白い!」と思ってもらう動画をつくることが一種のハードルでした。
そこからは、「ファンをどこまで歓喜させれるか?」ということはかなり気を使いました。もともと楽曲が8号車と呼ばれるファンと一緒に夢に向かっていくというストーリーだったので、MVつくる上で、超特急が結成される前から遡って超特急の歴史今までやメンバーのことを勉強した上で映像上のストーリーを考えていきました。

堤:8号車さんからのプレッシャーはみんなありましたね(笑)。制作より番組の告知が先だったので、眞鍋さんのツイッターにもファンの方から「よろしくお願いします」というリプライも来たそうです(笑)。

―通常のMVと違った点はありますか?

眞鍋:「個別でも面白い、連結させたらもっと面白い」というのを実現しないといけないので、大変でした。なんせストーリーを7本つくった上に、それが同時進行で繋がっていないといけないし・・・。

喜田:なので、通常のMVの場合、素材数がそんなになくてもできるんですが、今回は通常の7倍くらい素材が必要という頭で撮影しましたね。

眞鍋:さらに解像度の問題も。最大横幅は通常のスクリーン7台分なので、4Kカメラ3台同時回し。素材のデータ量も半端ないので、編集も大変でした・・・。

―MVの世界観についてお聞かせください。

喜田:UFOやライオンや宇宙に飛んでいくという演出が入ってるんですが、ファンタジーの世界の方が見ている方が引き込まれるし、現実ではありえないいろんなものが出てきても成立する世界観が良いなと思いました。また、その世界観に合わせて、今回は衣装のテイストも変えて「こういうのも似合うんだ」と思ってくれる人がいるといいなと思いました。今回に限らずMVではいつも、アーティストの新しい一面が見える要素を盛り込みますね。

縦型動画はそのままスマホの壁紙にもできる

―ファンの方からはどんな反応はありましたか?

喜田:今までやって来たMVの中でも、SNSにアップされるスクショが圧倒的に多かったですね。スクショされるポイントが通常の7-8倍くらいありました。

眞鍋:縦型だからそのままスマホの壁紙にできるんですよね。それが縦型動画の二次波及として面白いなと思いました。また、ちょうどツアー中で8号車のみんなが「その場で連結しましょう」とツイッターで呼びかけてツアー会場で連結して楽しんだり、家族と連結して楽しんで「お母さんがファンになった」という反応があったりと、当初の狙い通りファンの輪が本当に連結して広がっていくというのは嬉しかったですね。

―縦型動画の活かし方・可能性についてはどのようにお考えですか?

眞鍋:一対一感、近さだと思いますね。映画やドラマのように客観的なカメラでストーリーを描写していくものをそのまま縦型にすると失敗するんだろうなと思います。縦型は背景などの状況を伝えるのに不向き。しかし、スマホはパーソナルなデバイスなので、大勢でひとつのスクリーンを見るの感覚でなく、一人で見るものなので、一対一、被写体と視聴者という関係性に限定してあげて没入感をつくるのがよいなと思ってます。

堤:被写体も視聴者を”見ている感“の演出ですね。純粋な映像作品としては横が欲しくなっちゃうので。

喜田:もはやスマホひとつだと難しい、という感覚がありました。もう一個スマホを足したり、どこかにはめて周りの空間とシンクロさせたり、”スマホと何か”として拡張していくと新しい表現ができるのではと思いますね。

大東:UIジャックのMVもあったように、アプリのUIとも繋がっているなと感じます。アプリのUIが増えるに対して表現方法も増えていくと思います。

眞鍋:「アプリなど映像以外のものが展開されているデバイス(スマホ)で見る」という点や「スクリーンをどこにでも持っていける」という点で、スマホ含めてどういう環境で見るのか、誰がどこで見るのかなど、視聴環境も含めてプランニングしていくことが必要だと感じましたね。

『○○と新どうが』次回は7月7日25時53分よりOA。福田雄一監督と映画『銀魂』豪華出演者によるポートレートフィルム制作が進んでいる。

超特急と新どうがcreated by 眞鍋海里 https://live.line.me/channels/21/broadcast/3014404
超特急8号車と新どうが(ココリコ遠藤Ver.) https://live.line.me/channels/21/broadcast/3062867