本事例はAdGangを運営するPR TIMESのPR事例コーナーから転載した記事です。

Case: 養命酒製造による新カテゴリ商品群のマーケティングPR

今から400年以上も昔、1602年に創製された「薬用養命酒」。養命酒製造は大正12年(1923年)に同事業を継承し、100年近くにわたって薬用養命酒を造り続けてきました。

薬用養命酒を中心に事業展開してきた同社ですが、2010年に健康のお酒「ハーブの恵み」を発売。2011年には栄養ドリンク「ハーブプラス Herb+」、2013年にお酢飲料「食べる前のうるる酢」と美容のお酒「フルーツとハーブのお酒」、2015年にハーブワイン「HER HERBS」を販売開始しました。薬用養命酒で培った生薬とお酒の技術を活用して、ここ数年の間で商品ラインアップを急速に拡充してきています。

同社が新製品の開発・販売に力を入れるようになった背景には、「もっと若い人にも養命酒のブランドに興味を持ってもらいたい」「『薬酒は健康にいい』というイメージを若者に持ってもらいたい」といった狙いがあると同社マーケティング部の熊谷卓彦主任は語ります。

けれど新商品を売り込もうとしても、400年以上の伝統と抜群のブランド認知を誇る薬用養命酒と、発売したばかりの新製品とでは勝手が違います。流通業者や小売店に取り扱ってもらえても、期待していたほどの売上にはならず、壁を乗り越える必要があると感じるようになりました。

しばらくは試行錯誤を繰り返すことになりましたが、ハチミツとハーブを組み合わせた「はちみつのお酒」を筆頭に、2017年3月に発売した新カテゴリの商品群の売れ行きは好調な滑り出しに。商品自体の魅力、営業担当者の奮闘などに加えて、マーケティング手法を見直してデジタルPRに注力したことも好調さを支える一因として挙げられそうです。

3月の一斉発売に向けてデジタルPRを仕掛けた結果、新聞やテレビにも取り上げられ、広告費に換算すると1億円近いメディア露出を果たした養命酒製造。同社は3月発売の新商品群を販売促進するため、どのようにマーケティング手法を変えたのでしょうか。熊谷氏と同社マスコットの養命酒の瓶くんに詳しく話を聞いてきました。

(瓶くんの言葉は、熊谷氏にのみ聞こえてきた内容を、会話風に書き起こしました)

養命酒ではない新カテゴリの商品、マーケティング担当者が感じたとまどい


――これまで「薬用養命酒」を中心に事業展開してきた貴社が、新カテゴリの商品を開発・販売するようになりました。“新カテゴリ”の商品をマーケティングしていくとなると、とまどうことも多かったのではないでしょうか。

[熊谷氏]私自身、新卒で入社して以来、薬用養命酒のマーケティングにずっと携わってきました。薬用養命酒の知名度を上げるためには、どのような新聞広告やテレビCMを制作すればいいのか。そうしたノウハウを蓄えてきました。

 それが7年前、健康のお酒「ハーブの恵み」を発売することになりました。どのような層に、どのような動機で購入していただけるのか、十分な予測がつかない状況で新商品を売り出すことになったわけです。

[養命酒の瓶くん]予想していた以上に売るのは大変だったんだよね。

[熊谷氏]いやいや覚悟はしていたよ(苦笑)。…小売店の棚に並べてもらうことはできたのですが、なかなか買ってもらえませんでした。

 チラシ広告を制作するなど、試行錯誤をしながら販促を続けましたが、「このままでは売上は伸びないかもしれない」と行き詰まりのようなものを感じていました。

機能性を伝えるだけではまだ足りない。「飲みたい」と感性に訴え掛けよう

――新製品の売上が期待していたほどには伸びなかったのは、どんなところに原因があったと思いますか?

[養命酒の瓶くん]薬用養命酒ほど、見慣れたパッケージではなかったし、「ハーブのお酒」って飲んだことない人が多かったんじゃないかな。

[熊谷氏]そうだね。君は幸せだったと思う。薬用養命酒と同じマーケティング手法では通用しませんでした。

 大手メーカーの一般的なアルコール飲料とも違いますから、大手の手法をマネするのも違うだろう。やはり商品の特長をしっかりと多くの人に伝え、その魅力に気づいてもらうことが重要だろうと感じるようになりました。

 そこで、まずはお酒の効き目や「健康にいい」という機能性を打ち出すようにしてみました。けれど、そのように変えてみても、すぐには成果につながらなかったのです。

 上手くいかなかった要因を考えてみて、「こんなシーンで使えるよ」「飲んだときの飲み心地もいいよ」など、実際に飲んだときのイメージを消費者の感性に訴え掛けることも必要だと気が付きました。

[養命酒の瓶くん]「飲みたい」と思ってもらうことが大事なんだよね。今思えば、基本的なことだよね。

「健康のお酒」を一斉発売。Webメディアを狙った本格的なデジタルPRに興味


――そして2017年3月1日に、「フルーツとハーブのお酒」シリーズの「アセロラとハイビスカス」と「ライチとカモミール」、サラダをおいしく食べられるお酒「ビネガーカクテル」シリーズ、ハチミツとハーブを組み合わせた「はちみつのお酒」、高麗人参とハーブを配合した「高麗人参酒」という4カテゴリの新製品を一斉発売することになりました。

[熊谷氏]3月に発売したお酒はどれも「健康にいいお酒」です。これまでは「糖質ゼロ」などの機能性が重視されていましたが、素材の健康感を活かしたお酒が注目され始めているという情報は小売店から届いていました。

 「これは追い風になる」と感じていましたので、「健康のお酒」という括りで売り出して、多くの人に知ってもらいたいと考えました。

[養命酒の瓶くん]マス広告を使えるほどの体力は……。

[熊谷氏]そりゃなかったですよ。でもそれだけではなく、広告で商品の魅力を十分に伝え、かつ「飲みたい」と思わせることは難しいだろうと思ったのです。

 ただ、商品自体は「健康にいいお酒」というトレンドを押さえていて、魅力的な商品に仕上がっています。しっかりと情報を発信すれば、記事として取り上げてくれるメディアは多いのではという期待はありました。

 とはいえ、「新聞やテレビなどのマスメディアが必ず取り上げてくれる」といった確信があったわけではありません。それなら、さまざまな編集スタイルを持つWebメディアをターゲットに幅広く情報を発信して、いくつかのメディアに取り上げてもらうことを狙った方が現実的だろうと考えました。

 そうした経緯がありまして、Webメディア向けのデジタルPRに本腰を入れて取り組んでみることにしたのです。

「飲みたい」と感じさせるシズル感ある写真の手配や、メディアプロモートを依頼


――そうして、PR TIMESにプレスリリースの配信を問い合わせいただいたわけですね。

[熊谷氏]はい、養命酒製造としてはマスメディア向けにPRした経験はあっても、デジタルPRに関しては詳しくありません。Web広告に詳しい取引先に「どうすれば効果的にデジタルPRできるだろうか」と相談していたときに、よくお話に出たのがPR TIMESさんでした。

 私たちの力だけで、数多くあるWebメディアへ情報を届けようとしても限界があります。PR TIMESを利用すれば、最大300メディアへ向けて、一斉にプレスリリース配信できるところに魅力を感じました。

 それでPR TIMESのサービスについて詳しく説明を受けたのですが、プレスリリース配信の代行だけでなく、原稿の作成や、メディア向けのプロモートの代行サービスもあることを知りました。

 先ほど、シーンや飲み心地で消費者の感性に訴え掛けて「飲みたい」と思わせる必要性を感じたと話しましたが、そのためには「飲みたい」と感じさせるようなシズル感のある写真を用意しなくてはいけません。

[養命酒の瓶くん]そういう写真って、自分たちで撮影するの、大変なんだよね。

[熊谷氏]君は被写体の役だけだから楽だけどねぇ。まあそれでPR TIMESにデジタルPRのプランニングを依頼して、写真の手配や、Webメディアに向けて記事掲載を働き掛けてもらうようにお願いしようと考えました。

タイアップ広告で対象媒体を狙うか、メディアプロモートで幅広く情報を届けるか


――依頼しようと決めるまで、どんなことを考えましたか?

[熊谷氏]Webメディアに商品情報を載せてもらうためには、編集部に取材してもらって広告記事を制作・掲載してもらう「タイアップ記事広告」という手法などがあります。

 それは何度か利用したことがあります。読者の興味・関心をしっかりと把握している各メディアの編集部が、自メディアの読者の心に響くように記事を作成してくれますので、狙ったターゲットに対して効果的にメッセージを届けられます。

[養命酒の瓶くん]最近は、バナー広告みたいな広告を出すよりも、タイアップ記事広告をお願いすることが増えてきているんだよ。

[熊谷氏]そうらしいね。そんなタイアップ広告を制作・掲載してもらうのと同程度の金額で、デジタルPRプランニングとメディアプロモートの見積もりをいただきました。

 タイアップ記事広告に予算を使えば、ターゲットとする1媒体には確実に情報を載せることができますし、そこから他媒体に広がることも普通です。けれど今回の新商品群については「まずはターゲットを絞らずに1人でも多くの人に知ってもらおう」と考えていました。「きっとメディアにも注目してもらえるだろう」という期待もありました。たとえ空振りに終わったとしても、多くのメディアに取り上げてもらえる可能性がある選択肢を選ぼうと考えたわけです。

4カテゴリを分割配信してラインアップの幅広さをアピール

――デジタルPRプランニングとメディアプロモート、利用してみた感想を伺えないでしょうか。

[熊谷氏]まず3月1日に4カテゴリの新製品を発売することになります。まとめて1本のプレスリリースを制作した方がいいのか、カテゴリごとに分割して4本のプレスリリースにした方がいいのかをPR TIMESに相談しました。

 PR TIMESからは「4本に分けた方が、養命酒製造として幅広い商品をラインアップしていることを伝えられる」とアドバイスしてもらい、分割して配信することを決めました。実際、分割することでメディア露出の機会は増えましたし、それぞれの商品について詳しい情報を届けられたと思います。

 また、PR TIMESに用意してもらったプレスリリース掲載用の写真が魅力的だったと感じます。

 特に今回は、サラダをおいしく食べられるお酒「ビネガーカクテル」シリーズを発売します。「おいしそうなサラダと一緒に商品を撮影した写真が必要だな」と思っていましたが、いざ自分たちで撮影しようとなると、キッチンスタジオを借りたりサラダを用意したりと手間と時間がかかります。PR TIMESにシズル感のある写真の撮影を手配してもらえたのは、本当に助かりました。

[養命酒の瓶くん]商品をそのまま撮った写真だけでなく、食卓をイメージさせるような写真もたくさん記事に使ってもらえたんだよね。

広告換算で1億円近くの効果。それ以上に手応えがあった新聞・テレビへの露出


――最終的に、新商品4ジャンルで、237件の記事が掲載されました。広告費に換算すると9300万円ほどの効果があったそうですね。

[熊谷氏]確かに、報告いただいた広告換算値にはインパクトがありました。

 ただ、広告換算値以上に価値を感じたのは、大手の新聞などで私たちの商品が紹介されたことです。自分たちが以前から目にしている著名なメディアでも取り上げられたことで、社内が大いに勇気付けられました。

[養命酒の瓶くん]テレビにも出たんだよね。

[熊谷氏]テレビ東京系列のテレビ番組で「ビネガーカクテル」シリーズが取り上げられたのはよかったです。番組の映像はWeb動画としてもアップされましたので、当社のFacebookでも紹介してプロモーションに役立たせていただきました。

――大手の新聞やテレビなども含めて、ここまで大規模にメディア露出できた要因はどんなところにあったと分析していますか?

[熊谷氏]当社営業担当者が流通業者や小売店に根気強く働き掛けてきたことで、「健康にいいお酒のトレンドが来る」という認識が業界内で広がりつつありました。「フルーツとハーブのお酒」シリーズの販売がこの冬順調だったことも、その認識が間違っていないという裏付けになったことでしょう。

 地道に関係者との関係を構築してきてくれた営業や、魅力的な商品を開発してくれた商品開発の活躍が土台となって、メディアがトレンドとして取り上げやすい土壌が整っていたのではないかと思います。

 そして、そうしたトレンドに沿った商品であることをしっかりと原稿に盛り込み、シズル感のある写真を添えて、上手にプレスリリースとしてまとめていただけたこと。PR TIMESにPRプランニングとメディアプロモートを依頼したことも成功要因の1つだと感じます。いや、本当です。

営業・商品開発・広告・PR。それぞれの力を噛み合わせて商品を動かしてく

――今回の取り組みの結果を踏まえ、今後、どのようにデジタルPRに取り組んでいく計画でしょうか。

[熊谷氏]PRの成果として一番分かりやすいのは広告換算値だとは思いますが、その数字に一喜一憂してはいけないのかもしれません。

 実際に商品を動かして売上を増やしていくためには、PRだけに力を入れればいいというものではありません。営業の力、商品開発の力、広告の力、PRの力。それぞれの力が噛み合って、ようやく商品が動くようになると感じています。

 とはいえ、PRも商品を動かしていく大事な力の1つです。営業活動に対する追い風にする意味でも、PRによってメディア露出を増やし、「養命酒製造の商品に注目が集まっている」という雰囲気をつくっていくことは非常に大切でしょう。

 本当に手探りしながら薬用養命酒以外の新商品を開発・販売してきたわけですが、特に「フルーツとハーブのお酒」シリーズや「はちみつのお酒」の売れ行きが好調で、社内も調子づいています。

 デジタルPRの効果は十分に感じています。社内にも「PRは大事」という認識が広まってきました。今後もPR TIMESを利用して積極的にプレスリリースを配信していこうと考えています。

本事例はAdGangを運営するPR TIMESのPR事例コーナーからの転載です。