Case: The Voice of Art

2010年に行われた調査によると、「機会がないから」「敷居が高いから」といった理由で、ブラジル人のおよそ7割もの人が美術館を一度も訪れたことが無いといいます。

そんな中人々にもっと美術館に親しんでもらおうと、ブラジルのIBMが人工知能『Watson』を活用し、サンパウロ州立美術館におけるガイドサービスを開発しました。

これは館内に展示されている作品について、歴史、新聞記事、作者の自伝、社会で起こったこととの関連性などの情報を6ヶ月間かけてWatsonに学習させ、来館者からの様々な質問に答えられるようにするという取り組み。

美術館や観光地などでよくある音声案内とは異なり、人々の疑問・質問にその場で答えるインタラクティブな仕掛けが特徴です。

利用者は入り口で貸し出されるスマホとヘッドフォンを使い、気になる作品についてWatsonに自由に問いかけることができます。

例えば…

問:「この絵に使われている技法は?」

答:「この作品には2つの技法が用いられています。人間の顔が歪んでいる部分に顕著に表れている表現主義、そして四角い形が特徴的なバナナの葉はキュービズムという技法で描かれています。」

問:「このブタは何歳?」

答:「これは1967年に作られたもの。生きていたら50歳ですから世界で最高齢のブタということになりますね。」

といった具合。

学芸員をわざわざ呼ぶのはためらってしまうような、素朴な疑問を気軽に聞くことができることが、とても好評のようです。

このサービスは4月5日から2ヶ月間にわたって実施されており、以前に比べて美術館を訪れた人の数は倍増したとのこと。堅苦しいイメージの美術館を、AIを使ったサービスを提供することでもっと身近に感じてもらおうという取組みでした。