Case: Guilty Clothes

イギリスでは、毎年85,000人の女性や子供が性犯罪の被害に遭っているという調査結果が出ています。しかし周囲に知られたくないという思いや、事件そのものに対するトラウマなどにより、誰にも相談できずに一人で抱え込んでしまうケースが多いのだそう。

また「襲われるのは、本人に隙があったからだ」「露出の高い服装をしていたのではないか」など、周囲の心無い言葉により、さらなる苦痛を与えられることも珍しくないといいます。

被害者の落ち度を問うような誤った考えを正し、そして心身を傷つけられた女性たちに専門の機関に助けを求めるよう訴えかけるため、性暴力被害に対して様々な面からサポートを行う支援団体・The Survivors Trustは、ロシアで啓発キャンペーンを行いました。

3月9日、大々的に開催されていたファッションウィークにタイミングを合わせて同団体が企画したのは、『最も挑発的』と銘打った、独自のファッションショー。

何も知らない観客が着席し、ショーがスタートすると、モデルがランウェイに登場します。しかし彼女たちが着ているのは最新のトレンドファッションではなく、ジーンズやトレーナーといった普段着。

一体どういうことだろう、と会場がざわつき始めたところで、スクリーンに映像が流れました。

それは、性犯罪にあった女性たちが語る、自らの体験談。旅行先で、ジョギング中に、職場で…人生を一変させてしまった“その日”について、言葉を振り絞るようにして話します。

また彼女たちは映像の中で、事件当時自分がどんな服を着ていたかを説明。それはジーンズにカーディガン、白いシャツにパンツなど、決して派手なものではありませんでした。

そこで観客は気づきます。目の前のモデルたちが着ているのは、女性たちが着用していたものを再現した服なのだと。

その後画面に「悪いのは、服ですか?女性ですか?」「いいえ、加害者です。」とのメッセージが現われると、会場は大きな拍手に包まれました。

「性犯罪の被害者を責めることはやめてください」強烈なインパクトとともにそう訴えかけたキャンペーンでした。