Case: Every 27th

日本では厳しい銃規制のため、民間人が持つことはほとんどありませんが、世界にはアメリカやロシアなど武器を持つ権利が認められている国が多くあります。自分や家族の身は自分で守る、という考えが根底にあるものの、銃による痛ましい死亡事件が毎年のように起こっているのも事実。

銃の愛好家でありながら、ルールの制定や規制の必要性を訴える活動をしているロシアの民間団体・Independent Enthusiasts for Gun Controlは、SNS上でwebrifle.orgというオンラインコンテンツをローンチし、銃を所有する人々に対してその重みや責任感について考えてもらう社会実験を行いました。

このサイトは広場を見渡せる場所に設置した銃(もちろん実弾は入っていません)を、インターネットを介してユーザーが遠隔操作し、通りかかる人を狙ってみようという、いわばバーチャル射撃が体験できる場。パソコンのキーボードを使って狙いを定めたら、スペースボタンで引き金を引きます。

参加するには年齢確認といった簡単な質問に答えるだけ。実際の場所で、実在する人間を狙って撃つというスリルを味わうため、多くの人が参加しました。

このイベント、実はIndependent Enthusiasts for Gun Controlによる偽の企画で、広場にいる通行人も全員役者さん。ユーザーが人に狙いを定めた瞬間、その様子を監視していたスタッフが代わりに銃を発射。それと同時に役者が血を流して倒れるという演出をしたのです。

単なる遊びのつもりだったのに、まさか本当に自分が人を殺してしまったのだろうか?そんな恐怖に駆られパニックになったユーザーの画面には、次のようなメッセージが表示されました。

「Not Everyone owns a gun responsibly(全ての人が責任感を持って銃を所有しているわけではない。)」

5時間に及んだ実験には250人が参加。27人に1人が実際に引き金を引き、その中のほとんどが銃の保有者だったという結果からは、安全に対する人々の意識の低さがうかがい知れます。

実験の様子を収めた映像が200万回以上も再生されるなど、大きな反響を呼んだ本施策。一瞬とはいえ、人の命を奪ってしまったかもしれない…というショッキングな状況を突きつけることによって、銃の所持・使用に伴う責任の重さをいま一度考えてもらおうと訴えかける、衝撃的な取り組みでした。