Case: The Human Race

アメリカの自動車メーカー・シボレーが公開した、新型車『カマロZL1』のプロモーション動画が、まるでハリウッド映画のワンシーンのようだと話題になっています。

映像は、人間が運転するカマロZL1(赤い車)が、人工知能がコントロールするシボレーのコンセプトカー・FNR(黒い車)を相手にカーアクションを繰り広げるという内容。

トンネルに入り、「人間は決して、私に勝つことはできない。」と話すAIに、ドライバーは「どんな時でも、道はある。」と言い放ち、自身の車をFNRにぶつけます。


するとFNRは光のかけらとなって消え去ったのでした。

上記のPR動画には、これまでの車のCM制作における大きな課題を解決する、画期的な技術が用いられています。

通常、車のCMを撮影するには実際の車両を走らせ、後からCGを合成して完成しますが、この方法では非常に手間と時間がかかるほか、未発表の新型車のデザインや性能が外部に漏れてしまうという危険性がありました。

そこでシボレーが着目したのが、ビジュアルエフェクトを専門とするプロダクション・The Millが開発した、CM撮影専用車両・Blackbird。

ゴーカートのような形をしたBlackbirdは、ボタンひとつで車高や車幅などを変えたり、ホイールの交換もできます。様々な車種の形にチェンジすることができるほか、運転特性をプログラミングすることで、走りの特徴も表現できるので、メーカーの新型車を走らせずに済むのです。

こうして撮影した映像に、The Millの仮想制作ツールキット・Mill Cyclopsと、アメリカのゲーム開発会社Epic Gamesのソフト・Unreal Engineを使えば、リアルタイムにレンダリング(映像や音声、エフェクトなどをまとめて動画に出力する作業)することが可能に。

CG合成した映像を、その場で確認することができるという点で、非常に画期的な技術となっています。

このPRビデオは、毎年サンフランシスコで開催されているGame Developer Conference(世界各国のゲーム開発者を中心とした会議)で紹介され、今後の映像制作に大きな影響を与えるテクノロジーとして、大きな注目を集めています。