Case: Donald Trump’s BS

オレゴン州・ポートランドの中心街にあるパイオニア・コートハウス・スクウェアという広場に、毎週金曜日と土曜日のお昼頃になると、1台のフードトラックがやってきます。

黒い車体に取り付けられたゴージャスな金色の看板には『Donald Trump’s BS』との文字。『BS』とは『bullshit』の略で、でたらめ、くだらないことの意味。つまり『ドナルド・トランプの馬鹿げた発言』と書いてあるのです。

実はこれ、大手広告会社のWieden + Kennedyが実施した、『メキシコとの国境に壁を建設する』発言をはじめとした過激な移民政策や女性スキャンダルなど、何かと物議を醸しているトランプ氏に対するネガティブキャンペーン。

このトラックでは、baloneyというソーセージを挟んだサンドイッチが売られていますが、baloneyにはもうひとつ、スラングで『馬鹿げたこと』という意味があります。要は問題発言の多いトランプ氏を痛烈に批判しているわけですね。

サンドイッチを入れるパッケージは、不動産王を揶揄するにふさわしく、まるで高級チョコレートのようなデザイン。さらに『アメリカ国民に、100%のでたらめを。』というキャッチコピーとともに、これまでトランプ氏が言い放った矛盾だらけの主張を紹介しています。

例えば…

・「イラク戦争にはずっと反対していた。」 – 2002年のインタビューで、戦争支持と受け止められる発言をしている。
・「私はもっとたくさんの税金を喜んで収めよう。」 – 18年間におよぶ連邦所得税の未納疑惑を指摘されている。
・「若者の失業率が非常に高い。」 – 実際のところ、近年はこれまでになく失業率は低い。
・「私は独力で成功したビジネスマンだ。」 – 不動産業で財を成した父親から会社を譲り受けている。

など、全8種類。いくら歯に衣着せぬもの言いが魅力とはいえ、主張に一貫性がなければ、もしも大統領に選出されたときに公約を守ることができるのか、やはり不安に思う人がいるかもしれません。

このトラックは11月8日に行われる一般有権者の投票日まで、毎週末営業するそう。それにしても、仮にも次期アメリカ大統領候補をここまで皮肉たっぷりにからかってしまうあたり、いかにもアメリカらしいキャンペーンだと思いました。