Case: Impact class

ポルトガルでは24歳までの若者の死亡や大怪我の原因の第1位は、自動車による交通事故です。普段意識することの少ない“安全運転の大切さ”を若者に伝えるため、首都リスボンにある自動車教習所が行った斬新な取り組みをご紹介します。

初回の講習を受ける生徒はまず、駐車場に集合するよう伝えられます。

そこに先生が登場。義足を付けて歩いていたり、身体に麻痺が残っていたり、車椅子に乗っていたり…と、皆どこかに障害を抱えています。

なんとこの先生たちは皆、“交通事故の経験者”なのです。

「今日が最初のレッスンですね。緊張していますか?」
車に乗り込むと運転を教え始めるでもなく、先生たちが話し始めます。

そして話は先生たちが実際に体験した交通事故のことに。生徒たちと同じ歳の頃、先生らは悲惨な自動車の運転事故を経験していたのです。

飲酒運転、居眠り運転、スピードの出し過ぎなど、事故の原因は様々。ちょっとした一瞬の気の緩みで何ヶ月も昏睡状態に陥り、絶望的な状態を引き起こしてしまったのです。

話が終わると車を降りて1回目の授業は終了。

予想外の授業で運転の現実を知った生徒たちは、これから運転を始める責任の重さをひしひしと感じている様子。

この取組を収めた動画のラストにはこんなメッセージが。

運転については失敗してから学ぶのでは遅いのです。

自動車の運転を始める最初の段階で、安全運転の大切さを知ってもらおうと始めたこの取り組み。

普段なかなか接することのない運転事故経験者の生々しい体験談を“学び始める瞬間”に聞くことで、ドライバーの卵たちに運転に対する正しい心構えを身に着けてもらおうという将来を見据えた啓発施策でした。