Case: The Displaced

今回は、カンヌライオンズにおいて今年新設されたエンターテインメント部門でグランプリを受賞した、アメリカの大手新聞社・New York Timesによる短編ムービー『The Displaced』をご紹介します。

この映像は同社が提供しているVRアプリ『NYT VR』のコンテンツで、現在世界に3千万人もいるという、戦争や破壊・略奪行為などにより住む場所を失った子供たちの窮状を収めたもの。(ウェブ用には同タイトルの360°動画が用意されています)

視聴するには、アプリをインストールしたスマートフォンと、Googleより発売されている、段ボール製のVRヘッドセットGoogle Cardboardを利用するのですが、New York Timesは、子供たちの置かれた過酷な状況をVR体験を通じてより多くの人に知ってもらうため、このヘッドセット100万個を無料で配布。

映像に登場するのは、ウクライナ内戦の後、がれきと化した建物の中でたたずむOleg君、祖国を捨て、難民キャンプへとたどり着いたシリア人のHanaさん、そして戦火を逃れるためにワニの生息する沼地に身をひそめて暮らす南スーダンのChuol君の3人。

子供たちへの取材は、New York TimesのジャーナリストであるBen Solomon氏によって行われました。

彼らの生活を仮想体験することによって、いまこの瞬間にも危険で苦しい環境に生きる人たちがいるのだという事を、あらためて考えるきっかけとなった本取り組みは、SNSを中心に広く拡散。また大手メディアでも紹介されました。

映像が公開されて僅か3日間のうちに、New York Times史上最高のダウンロード率を達成したこのNYT VRアプリは、エンターテインメント部門とともにモバイル部門でもグランプリを受賞しています。