Case: Minutes of life

コスタリカでは、“時間がもったいない”との理由で歩道橋があっても利用せず強引に道路を横断する人が後を絶たず、毎月平均6名もの人が歩道橋付近で命を落としているといいます。

同国最大の携帯事業社・Kolbiは、“横断歩道を渡るために費やした貴重な時間を、無料通話分としてお返しする”キャンペーン、その名も「minutes for life」を実施し、無駄に使ってしまった時間を返済するだけでなく、多くの尊い命を救うことに成功しました。

歩道橋が掛けられた交通量が多い大きな幹線道路。コスタリカの人は、ここを危険を顧みず大胆に横断しています。

なぜこのような危険行為をするのか聞くと、この女性は「急いでいるから。歩道橋を渡ると時間がかかる。」と話し、この男性は「道を渡りたいだけなのに、わざわざ歩道橋を使えば2倍時間がかかる。」と言い、どちらも歩道橋を渡ることは“時間の無駄”であると主張しています。

そこでKolbiは、歩道橋を渡らない理由が“時間”だけであるなら、その“時間”を“有効な時間”と取引する提案を行いました。

Kolbiの時間取引は、“歩道橋を渡るために使用した時間”を、“携帯電話の無料通話時間”と交換するというもの。

例えば、歩道橋を渡るために3分間無駄にしてしまったならば、3分間の無料通話時間(含データ送信、チャット利用時間)をプレゼントすることで、無駄遣いしてしまった(と本人が考える)時間を返済してあげるというものです。

これでは、“時間を無駄にしたくないから”という言い訳は通用しなくなりますよね。

このキャンペーンは、同国交通省のサポートも得たことから多くの人の関心を得ることに成功し、キャンペーンを実施した4週間で12,000時間以上の時間取引が成立した他、何よりキャンペーン期間中、最も危険とされる20か所の歩道橋設置エリアで1人も命を落とすことがなかったとか。

時間の節約は大切ですが、命を失ってしまっては元の子もありません。歩道橋を渡ることで余計に費やしてしまった時間を別の形で保証することで、命と引き換えに時間を削らないでと訴えた、携帯事業社と政府がタッグを組んだアンビエント交通安全施策でした。