Case: Text and Drive

カナダ・トロントの高速道路脇に建てられた看板広告が、今注目を集めています。その看板に書かれているのは、「運転しながら、スマホを使おう。(TEXT AND DRIVE)」という驚きのメッセージ。看板の下部を見ると、「WATHAN FUNERAL HOME」と葬儀場の名前が書かれています。

一見すると、葬儀場が自らの利益のために事故を促すという目を疑うような内容ですが、実はこの看板はカナダの広告代理店・John St.による公共広告。いくら警告し続けても、一向に減らない「運転中のスマホ使用」に対する注意勧告が目的です。

「運転中のスマホ使用」は長年の警告にも関わらず、約半数のカナダ人がいまだに続けている状況です。そこで考えられたのが、葬儀場があえて「運転中のスマホ使用」を促すことで、その恐ろしさを訴えるという奇抜なアイデア。

「WATHAN FUNERAL HOME」は実在の葬儀場ではありませんが、この看板を見たドライバーがインターネットで検索した時のために、「WATHAN FUNERAL HOME」のウェブサイトも用意されています。

同ウェブサイトにはドライバーに対するこんなメッセージが書かれています。

あなたはきっと、こんな広告を出すなんてひどい葬儀場だと非難するために、このページを訪れたのでしょう。実は、私たちは葬儀場ではありません。

あなた方ドライバーに、運転中にスマホを使うことの危険性を伝えたいのです。

もっとも我々が本当の葬儀場だとしても、運転中のスマホ使用で人の命を危険にさらすことの方が、この看板よりもはるかに腹立たしいことですけどね。

国民の大多数がほぼ毎日「運転中のスマホ使用禁止」という言葉を目にしているにも関わらず、運転中にスマホを使用する人が増え続けているカナダ。そんな現状を打開すべく、驚きの内容でドライバーの注意を引きつけ、スマホ使用が引き起こす悲惨な結果に思いを巡らしてもらおうという、奇抜で効果的な広告でした。

同広告は多くのメディアでも取り上げられ、直接広告に接触した人以外にも多数リーチすることができたようです。