Case: Opera @ Cinema

ルーマニア国立オペラバレエ団が、映画館来場者をオペラ鑑賞に誘うために、映画館でドッキリプロモーションを仕掛けました。

土曜日の夜、いつのも通り、クルジュ=ナポカの映画館に足を運ぶ人々。皆着席したところで、映画の予告編が流れます。

予告編の後に流れるのは“注意事項アナウンス”。

「まもなく上映時間となります。携帯電話の電源をお切りください。」というものですが、なんと、これを読むためにスクリーンに登場したのが“オペラ歌手”。

自慢の美声で、「こんばんは~。着席してください~。」「まもなく上映開始となります~。」とオペラ調に歌い上げます。

これには、お客さんはビックリ。笑顔がこぼれます。

「携帯電話の電源をお切りください~。」と歌ったところで、客席の男性の携帯電話が鳴り立ち上がって電話にでます。

どうやら、母親からかかってきたようで「映画が始まるから後で掛け直すね。」との会話が聞こえます。

男性は会場中の注目を集めることになり、どよめきが起こりますが、男性は通話を切り上げ、何事もなかったかのように再び着席します。

スクリーンの中のオペラ歌手が「まもなく上映開始となります~。まもなく上映開始となります~。」と高らかに歌い上げたところで、また男性の携帯電話が鳴ります。

すると男性は、「掛け直すと言ったけど、今電話に出ないと怒るんだ~。」とオペラ調に歌い出したのです。

ここから、スクリーンの中の男性と客席の男性によるオペラ調の掛け合いが始まります。

「お母さんは待てないのか~い。」
「ママだから無理~。」
「映画が始まると言うのに信じられないよ~。」
「まぁまぁごちゃごちゃ文句言わず、ここにいる皆さんをオペラに招待しようじゃないか~。」
「オペラ、オペラ、オペラにようこそ~。」

オペラは難解なイメージがあり、敷居が高いと思っているであろう人に対して、オペラは実にシンプルで楽しいものであることを“上演”したアンビエント施策でした。