Case: Abandoned Lives

UAE第二の都市・ドバイでは、道端に廃棄されるたくさんの車が大きな問題となっているそうです。その数は1年間におよそ3,000台にもなるといい、街のあちらこちらに砂ぼこりをかぶった車が放置されています。

実はこのドバイにはもうひとつ、“車と同じくらい多く捨てられているもの”があります。それは犬や猫といったペットたち。車両と違い、目立たない存在のペットは、人目につくことなく命を落としていくのです。

同国の動物愛護団体・38smilesはこの隠れた問題にスポットをあて、また人々の関心を集めるためのちょっとしたドッキリ施策を仕掛けました。

それは、乗り捨てられた車に小さなスピーカーを取り付け、動物の鳴き声を流すというもの。スピーカーにはモーションセンサーが内蔵されており、人が近くを通りかかると自動的に音声が出る仕組みです。

まるで助けを求めるような鳴き声に気づいた人々は、もしや動物が車の中に閉じ込められているのかと足を止めます。

その車の窓ガラスには動物愛護を呼びかける啓発ポスターが貼られており、『車が1台廃棄されるたびに、1匹の動物が見えないところで捨てられているのです』というメッセージによって、このキャンペーンの主旨の説明がなされたのでした。

企画の内容を知った人たちからは、「こんなにたくさんの動物が捨てられているなんて知らなかった」、「とてもショッキングだ」などといった意見が出るなど、ペットとの付き合い方、そして命の大切さについていま一度考え直すきっかけとなったようです。

遺棄されるペットの問題は、何もドバイに限ったことではなく、わが国でも毎日数百頭の犬猫が殺処分されているという悲しい現実があります。全てのペットが幸せになれる環境作りを目指し、私たちは努力を続けていかなければならないことを思い出させてくれる取り組みでした。